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自分の壁
 今週の金曜、息子はいよいよパラ陸上競技世界選手権大会出場のためドーハに向けて出発する。
 母親としては、なによりもまず体調が万全であること、無事に帰国することを願わないではいられない。

 学校時代、息子はよくこんな風に言って私たちを戸惑わせた。
 「どうしてこんなこと覚えないといけないの?なんでこんな勉強しなきゃいけないの?お父さんも、お母さんも、今そんなこと役に立ってる?」
 戸惑いながらも、私たちはこんな風に言ってきたように思う。
 「今はつまんないかもしれないし、なんの役にも立たないと思うかもしれない。でもね、もしかしていつかそれが大事なことになってきて、その時にそれを知らなかったら悔しいでしょう。
 今いろいろなことをやるのは、未来の選択の幅を増やすことなんだ。
 選択の幅が広ければ、それだけいろいろなものが見えるようになるし、それだけ豊かな人間になれるよ」。

 あれ以来息子は、どれだけ「自分の壁」を乗り越えてきたことだろう。
 辛い練習に耐え、意にそぐわない忠告を受け入れ、そうしたことの全てが今の彼を作っているのだと思う。

 すぐにこういう人がいる。
 「あいつはだめだ。あのやり方は間違っている・・・」
 そういう時、その人は往々にしてこう言っているにすぎないものだ。
 「私のとは違う。なぜ私が言っているようにできないんだ。」
 そうしてその人は、自分から「自分の壁」に閉じこもり、自分の伸び代を摘んでしまっている。

 人の考え方を学び、人の幸せを自分の喜びにできないのは、やはり悲しい。
 
 私たちよりよほど将来への伸び代を持っている息子。
 これからも幾度も思い知らされる「自分の壁」をどんどん超えて、ますます大きな人間になってほしい。
 
05:45, Tuesday, Oct 20, 2015 ¦ 固定リンク

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