| ドヴォルザークの交響曲第8番を聴きました。 セミヨン・ビュシュコフ指揮のケルンWBD交響楽団での演奏です。
 
 ビュシュコフの演奏は、心身を興奮させる圧倒的なダイナミックスの中にも、どこか淡々とした冷静さを感じさせます。
 それは、強弱を大胆に付けながらも、テンポを一定に定めて揺るがない指揮法によるものでしょうか。
 
 音楽の喜びを体いっぱいに表現しながら、全体のストーリーは絶対に手放さない。自分の演奏の意図を、全身を使ってオーケストラの一人一人の団員に伝え、オーケストラをあたかも自分の楽器のように完全にコントロールしています。
 楽団員も、その指示に安心して身をゆだね、喜びのうちに共に一つの楽曲を紡いでゆくのです。
 
 そんな職人技を、私は今回の演奏に感じました。
 
 暖かになりました。同時に今、ドヴォルザーク交響曲第8番第3楽章に入りました。
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