大多和窟を探し回って7回目。何度の地図で確認しながら何度も足を運んだ。最終(?)場所として、ここしかないだろうというところを目指す。
それは昨年赤滝まで不動沢を遡行しているが、赤滝の北東にある岩場だ。岩マークのある所は歩きつくした。しかし赤滝に行ったときには周辺は岩に囲まれていたような・・・狭い滝だったような気がする。赤滝の上の段には登らなかったから、その辺にあるかも知れないと、もう一度赤滝を目指すことにした。
2025年8月3日 ルート図

赤滝まで行くには沢靴が必要。百丈沢を過ぎて奥の二俣手前で沢靴に履き替えた。このナメからが楽しい沢登になる。

今年初の沢。気持ちがいい。

途中高巻をした滝を通過して赤滝に来た。赤滝の下の段だ。

やっぱり滝に阻まれている。しかし地図によるとこの赤滝の右上に岩壁マークがある。そこに行くにはどうしたらいいだろうか。少し赤滝から戻ったところの草付き斜面に取り付いてみた。すごい薮の急斜面。足元は崩れ落ちる土だったり一枚岩だったり、炎天下の登りはきつかった。
やがて目的の岩壁の基部に到着した。振り返ると見覚えのある光景が。戸隠絵地図に載っている百丈滝も見える。到着した目的の岩壁の基部に窟はあるに違いない。
見覚えのある岩壁。百丈滝も見える。

岩壁に沿って谷側に進んでいったら、あった!!!大多和窟だ。

やっと出合えた大多和窟。窟の中に腰を下ろして戸隠の稜線を確認。

本院岳も確認した。大多和窟を探し回って7回目。諦めなくてよかった。「戸隠石造文化財」に載っていた地図にとらわれすぎて、全く違う場所を探し回っていた自分。結果、不動沢の東側はほとんど把握できた。
最後に残ったところがこの岩壁だった。
やっと探し当てた大多和窟。しばらく大多和窟の中での時間を過ごした。
大多和窟の名からの眺望。

正面に本院岳。ここからでした見えない本院岳の姿だ。

大多和窟から岩壁に沿って歩いていく。無名窟が出てきた。

二つ目の無名窟。草の中を石祠があるか探したがないので大窟殿ではない。

さらに岩壁に沿って進んでいくと、あった。石祠がひっくり返っているが、ここは大窟殿に違いない。

石祠を元に戻した。探し続けていた窟だから、せめて祠をきれいにしようと思って。祠には「昭和十六年」と「真純」と刻まれている文字が読めた。

今度は誰がここを訪ねてくるだろうか・・・。
