奥三界岳

 たまには登山道のある山を登るのもいいか・・!
 山友の紀代美さんが登ったよ!って言っていた奥三界岳。大桑村と中津川市の県境に近い中津川市に座する1810.7mの山だ。往復16キロを歩くという長丁場の山で、紀代美さんにも刺激されいつか登ってみたいと思っていた。
 登山道があるから地図も持たずに飛び出したというわけ。天気はいいはずだったのになぜか曇り。もしかしたら途中から降り出すかまも知れないという空模様であったが、2時間かけてやってきた登山口だから登るしかない!ゲートのところには車がすでに1台駐車していた。
 8時過ぎに歩きだす。
 しばらくは林道。忘鱗ノ滝と銅穴ノ滝を過ぎて登山道へ。30分ほど登り上げるとまた林道に飛び出した。夕森山を右手に見てしばし進みまた登山道に入る。しばらく登ると朽ちた小屋があり、ここからが本登山道らしい。あと2時間ぐらいで山頂に立てるかな・・。
 藪漕ぎが全くないので楽ではあるが、ちょっと物足りないなあ~なんて思いながら登っていたら、下ってきた3人パーティーから「あ、サンナビキの!」と声をかけられた。びっくりである。今年の秋にサンナビキ山に登った時に一緒になった石川グループの3人であった。山友の紀代美さんとの共通の知り合いだ。
物足りないという思いから一気にテンションが上がり嬉しくなってしまった。しばし談笑して「またどこかでね。」こうした出会いが本当に嬉しい。
 小さな沢を遡行して約1時間で山頂に到着した。
 ぼろの展望台が待っていた。天気が悪く眺望はゼロ。御料局の三角点をなでなでして一気に下山した。往復16キロお疲れさまでした!

 

2020年11月22日 ルート図

 

川上川渓谷を林道から見下ろした。

 

忘鱗ノ滝

 

銅穴ノ滝

 

あのピークの奥が山頂。見た感じより結構距離がある。

 

山頂に到着。ぼろぼろの展望台。

 

展望台からの眺望は天気が悪くゼロ。

 

御料局の三角点

点名・天満沢(1909.4m)

 点名・天満沢を意識しだしたのは、南川金一氏の「続・山頂渉猟」からだ。まずその「天満沢」という名前にひかれた。なぜか心に響く三角点。地図で確認すると信濃坂から安曇までの古道もある。日本山岳会からも古道を歩く計画の連絡があり、ならば先駆けで行ってみようか・・・と初冬の日に出発した。
 安曇野の満願寺から大峠までの林道を利用してもいいのだが、やっぱり南川氏と同じルートをたどってみたい。信濃坂をスタート地点とし、できれば古道を歩いてみたいと思った。
 冷沢に沿った林道を歩いていく。振り返えると有明山が立派に見えた。いつも見ている有明山と違う表情でなんか嬉しい。林道が沢筋を離れる手前に古道の入り口があるのだが、見逃してしまった。
 再び冷沢の右岸に渡るところから古道に入り込む。といっても古道らしき痕跡は何もない。笹藪に突入である。尾根に取り付いたが、GPSで確認すると、古道らしきルートから外れている。仕方ないなあ~。
 古道を意識することなくガンガン笹藪を漕いでいくと絶句!なんと林道に出てしまった。このまま林道を行こうかとも思ったが、それでは面白くない。また笹藪に突入する。2度林道をを横切り、大峠まで到達する手前の斜面を天満沢目指して登って行った。
 少し笹藪が緩くなったかなと感じ始めて一息。木々の間からではあったが、点名・大滝Ⅱが正面に、そして常念岳や燕岳の稜線がよく見えた。元気が出る。もう少しだ。
 スタートから約4時間で天満沢のピークに達した。何もない。2006年5月に登った南川氏は三角点を探し出しているが、その時から14年以上経過している今となっては、笹の根に囲まれてしまったのか探し出すことはできなかった。
 下山時に大峠に足を運んだ。古道と思われる踏み跡がかすかに残っていた。

 

2020年11月15日 ルート図

 

冷沢に沿った林道は歩きやすい。

 

有明山が現れた。このような形の有明山は新鮮だ。

 

地図によると冷沢の右岸に渡ると古道があるはず。

 

古道の後は全く見当たらない。この辺を藪に突入した。

 

20分ほど藪を漕いでいったら絶句。なんと林道があり、林道の壁にぶち当たった。ここをよじ登る。

 

林道に飛び出して一息。素晴らしい眺望。

 

下山は林道を利用するかもしれないが、登りはあえて藪の中に再突入。

 

この激藪が続く。

 

2度林道を横切り最後の登りの途中から、振り返ると・・。いつか登りたい点名・大滝Ⅱが見えた。

 

常念岳も。

 

あそこが多分山頂。

 

天満沢に到着。いつもの儀式。

 

合戦尾根から燕岳の稜線がよく見える。

 

常念岳と蝶ヶ岳は木々の間から。

 

久々の青空のもと出合うことができた北アルプス。

 

大峠まで下った。大峠からの点名・大滝Ⅱ。

 

大峠でいつもの儀式。安曇野へ下るかすかな踏み跡が確認できた。南川氏は、この大峠から藪を漕いで天満沢まで登っている。

 

大峠から林道に出た。ここからは林道を利用して下山。林道からの天満沢。

 

林道を利用した効用。素晴らしいわ!

 

大滝Ⅱも素晴らしい。ますます惹かれる大滝Ⅱだ。

 

大滝Ⅱから燕岳まで。

 

これが最後の有明山の姿。

 

行きに見逃した古道の入り口。林道が沢筋から離れるところが目印。

五六峰

 今年6月に鉢盛山~小鉢盛山を登った時に気になった五六峰。2172.9mの標高があり、登山道はない。鉢盛山の真北に座するが、鉢盛山からのピストンは日帰りでは難しい。黒川林道から取り付くのが一番距離が短いかもしれない。
 あえて無積雪期に挑戦したくいざ出陣。
 黒川林道の小屋あたりまで車で入る予定であったが、林道崩落のため尻平で通行止めになっていた。しかたがない。歩くか。約1時間かかって目的の尾根とりつき地点に到着した。
 地図上では立派な小屋が記載されているが、実際には朽ちていた。昔の作業小屋であったのだろう。地形を見ながら適当に斜面に取り付く。急斜面ではあるが、下草がなくて楽だ。
 まずは1574mの標点を目指して高度を稼いだ。笹も出てきたが大したことはない。振り返れば鳩胸~ハト峰の稜線が木々の間から見える。あそこは今年の2月だったけ・・。
 このまま藪がないといいけれど・・・と思っていたら、1800mを越すあたりから笹藪が激藪に変わった。眺望もなく、ただただ山頂を目指して前に進む。
 黒川林道から尾根に取り付いて4.5時間。五六峰の山頂に到着した。思っていたより時間がかかった。眺望はほんとどなし。遠くに鉢盛山の姿が一部見えていた。

 

2020年11月8日 ルート図

 

天狗岩。この先に作業小屋があるはず。

 

朽ちた作業小屋が出てきた。この辺りから適当に斜面に取り付く。

 

斜面とりつき口。登りやすそうだ。

 

標高点1574mの初冬の空。

 

振り返れば鳩胸~ハト峰の稜線。

 

背丈以上の笹藪。

 

この先が山頂。もうすぐだ。

 

五六峰の三角点。

 

いつもの儀式。

 

遠くに鉢盛山が見えた。

三十三間堂

 大阪へ所用で出かける際にちょっと途中下車した京都。以前から行ってみたかった三十三間堂へ足を運んでみた。
 京都駅前からのバスの乗り場の確認は、さすが観光地であるだけに、明確で簡単だ。これだけでも感動してしまった。
 三十三間堂には、バスで10分弱。スイカも使えて大変便利である。
 国宝三十三間堂には、観光バスが何台も来ていた。駐車場には、駐車時間20分以内とあったが、そんな少ない時間で見て回れるのかな・・・?
 写真撮影ができないのは残念であるが、じっくりと何体もの千手観音と向き合うことができて嬉しい。あっという間に2時間という時間が過ぎ去った。
 中央の中尊を中心に左右に各500体の千手観音が安置されている。慈悲深い表情に心洗われる思い。
 千の手が42本の手に省略されていて、『中央で合掌する2本の手以外の40本の手で一手が二十五有界の衆生をすくい四十手に二十五を乗じて千手といい,一手ごとに一眼を持っているので千眼という。』とのことだ。『千の手と目はどんな人達でも漏らさず救済しようとする広大無限の慈悲の心を表している。』というような説明書きがあった。また各手にはいろいろな物を持っており、一つ一つに意味がある。残念なことに、その内容までは書き留められなかった。
 お堂は約120mあり、正面の柱間が33あることから「三十三間堂」と呼ばれるようになった。
 雨であったが、いい時間を過ごせたと思う。

 

三十三間堂

 

池泉

 

庭にひっそりと咲いていた。

 

手水舎

風吹山(奈川)

 旧奈川村に座する風吹山は、地図上には名前の表記がなく地元の人たちの呼び名である。標高1960.3mの三角点名は「風吹」で小鉢盛山の北西に位置する山だ。
 南川金一氏の「続・山頂渉猟」にも記載されている。南川氏は入山集落から登り古宿集落へ下山している。どうしようか・・・と迷ったが、車の関係もあるので古宿からピストンすることにした。
 鹿よけのゲートを開けて林道に入る。途中車を止めスタート。しばらく林道を歩き、適当なところで尾根に取り付いた。
 今日のコースはいつもより短いことが分かっているから気が楽だ。
 まずは1368mの小ピークを目指す。藪はうるさくなく快適だ。目指す1368mピークを少し過ぎたところで、立派な林道が横切っていた。びっくりである。ここから目印のテープが至る所につけられており、なんか詰まらいなあ~と思いながら登って行くと、大きな鉄塔があった。1368m過ぎた林道からここまでのルートは、鉄塔の巡視路だったらしい。1495m地点である。振り返ると乗鞍岳が大きく見えた。
 さあここからだ。
 まったくテープ類の印はなくなり、忠実に尾根を登って行く。ところどころ笹が出てくるが大したことはない。歩きやすいなあ~と思っていたら、1800mを越えるあたりから背丈以上の笹藪になった。でもここまで割と楽にこれたからあまり気にならないが、南川氏が登った13年前より笹は成長しているのだろう。
 やがて山頂に続く平坦地に到着した。GPSで三角点標点を探したが見つけることができなかった。笹の根に覆われてしまっているのだろう。
 少し北に進んだところからは、木々の間からではあったが前穂高岳と明神岳そして霞沢岳が見えた。
 満足満足でした。

 

2020年11月1日 ルート図

 

鹿よけゲートを開けて林道に入る。

 

1495m地点に立っている鉄塔からの眺望。乗鞍岳だ。

 

前穂高岳と奥穂高岳からジャンダルム。

 

この辺りは、昔は放牧地になっていたらしく、有刺鉄線が残されている。

 

背丈以上の笹藪が出てきた。

 

スタートから約2.5時間。間もなく山頂部の平坦地に出る。

 

風吹山山頂に到着。三角点はしばらく探したが見つからなかった。いつもの儀式。左奥は乗鞍岳。

 

山頂から少し北に進むと木々の間から姿を見せてくれた。

 

下山して奈川支所から本日のルートの確認。鉄塔から続く尾根を登って風吹山へ。

 

小鉢盛山と風吹山。

烏帽子山(2122.9m)~黒川山(2244m)

 中央アルプスの宝剣岳の真東に座する烏帽子山(2122.9m)は登山道がない山だ。私の尊敬する南川金一氏は残雪期を利用して1993年4月の登頂している。
 2000m以上の登山道のない山で日帰りできそうな山が少なくなってきた。この山なら今の季節に登れるだろうと思い、黒川渓谷の宮田高原キャンプ場から入山した。ルートは、黒川を渡渉して尾根に取り付き、烏帽子山と黒川山の中間地点の鞍部に出て両山のピークを踏むコースだ。
 前日かなり雨が降ったので、黒川の渡渉ができるかどうか・・・。だめなら伊勢滝経由のうどんや峠からのピストンになる。この場合には時間がかかるだろう。どうなることやら。
 
 すでにクローズしている宮田高原キャンプ場の駐車場まで車を走らせた。
 そこから黒川沿いにできている林道を約30分歩くと取水所が出てきた。この先で渡渉できるところを探す。目標とする烏帽子山と黒川山を繋ぐ鞍部に出る尾根に取り付く付近で、流れの緩そうなところを発見。水が冷たいのを覚悟で渡渉に取り掛かる。頭の芯までしびれるぐらいに、う~ん冷たい。ここでひっくり返ったらアウト。慎重に左岸から右岸に渡り切って、ふ~。
 第1の核心部はクリアできた。
 さてここからである。左岸から見えた斜面に取り付く。かなり急である。
 気が付いたら背丈以上の笹藪の中を登っていた。尾根を外さないように笹を漕いでいく。いつものことだ。時間との勝負でもある。ほとんど休まずに登り切り、スタートしてから約4時間で目標とする鞍部に飛び出した。
 あ~ここは何という楽天地?ほとんど藪のない気持ちのいい稜線。すぐに烏帽子山を目指して南東に歩いていく。すごく楽だ。
 あっという間に烏帽子山の山頂に到着した。不思議な広場になっている。眺望はない。三角点を確認しいつもの儀式をしてすぐに来た道を戻る。今度は黒川山を目指す。烏帽子山から1時間ぐらいで黒川山のピークを踏むことができた。ここも眺望はなし。いつもの儀式をして下山に取り掛かる。
 雪も降りだしてきた。途中暗くなっても安全なうどんや峠経由のルートをとることにした。標高点2208mまで来た。ここからすぐに一般道となるうどんや峠だ。細い尾根を少し進んでうどんや峠に出た時にはホッとした。
 ここから伊勢滝方面に向かう。進入禁止の意味か伊勢滝方面にはロープが張られていた。しかし行くしかない。なるほど峠から急坂を下るが、ルートがはっきりしない。まあ慣れた感覚でガンガン下る。やがて黒川の上流に出た。ここで渡渉だ。雪も降っているので、朝の渡渉よりもつらいか!この渡渉も核心だった。
 渡渉後はしっかりした登山道が続いており、予定より1時間早く駐車場所に戻ることができた。
 
 ほとんど眺望もなく、ただ2000m以上の山を、また一つ登頂できた喜び。自己満足にすぎないが、南川氏の後を追いながらこうした山登りはやめられない。
 雪は想定外だった。もう山は冬が迫っている。

 

2020年10月24日 ルート図

 

黒川渓谷の紅葉

 

まずあの鞍部を目指し、そこからその右の尾根に取り付く予定。

 

黒川を渡渉する。

 

尾根に取り付いて、気が付いたら背丈以上の笹藪を漕いでいた。

 

約4時間で笹藪から稜線に飛び出した。笹藪終了点。

 

飛び出した稜線にはびっくり。歩きやすそうな稜線だ。ここから南東に向かっていく。

 

烏帽子山山頂。広場になっていた。

 

三角点はすぐに発見。

 

いつもの儀式。すぐに黒川山を目指してきた道を戻る。

 

黒川山へもこのような気持ちのいい稜線が続く。

 

黒川山山頂。眺望なし。いつもの儀式をここでも。

 

雪だ。

 

2208mを越えたら間もなくうどんや峠にでた。

 

ここから伊勢滝方面に下る。通せんぼのロープを越えてね。

 

ガンガン下り、黒川を渡渉して一般道に出た。間もなく姿を現した伊勢滝。ここから約1時間で駐車場所に戻った。

神奈山(かんなさん)

 昭文社の「妙高・戸隠・雨飾」の地図にある1900m以上の山や三角点で取りこぼしていた神奈山。標高1909.0mの山で妙高山の外輪山である。
 朝起きたら天気がいい。ちょこっと登ってこようか・・・。地図で確認すると往復6時間の山。ならば4時間ぐらいでピストンできるかもしれない。
 ビールとコーヒーをザックに入れいざ出陣。登山口となる関温泉を目指した。
 8:05スタート。登山道のある山だからいつもと違ってとても気が楽だ。ガンガン登って、あっという間に八方睨み。ここまでは笹などの藪払いがしてあった。有難う。
 八方睨からの妙高山と大倉山。ちょっと木々が邪魔していたが妙高山の北面についた雪も確認できた。ここからは偽ピークを二つ越して約30分で山頂に到着。誰にも行き会わなかったし、誰もいない。残念なことに妙高山はガスの中に入ってしまった。
 時間はまだ10時。2時間で登ってしまったから下山は1時間だろう。となるとビールタイムはここでは無理。飲酒運転になってしまうもんね。ゆっくりとコーヒーを楽しみ下山に取り掛かった。
 スキー場近くになってススキの中を漕いでいく。ススキの穂が風にゆっくりとなびいていて気持ちいい。秋だわ。往復3時間足らずであったが、秋の山を楽しむことができた。いつもの藪漕ぎが全くなかったけれどね。

 

2020年10月18日 ルート図

 

スタートしてすぐに姿を現した妙高山

 

展望台といわれるところからの眺望。雲海の上に斑尾山が美しい。

 

スキー場最奥から見えた目指す神奈山。左の稜線は藤巻山へと続く稜線。

 

ここから登山道。気持ちのいい道が続いている。

 

ツバメオモトの実

 

シラタマノキ

 

紅葉の真っ最中。藤巻山からの尾根。

 

八方睨みはもうすぐ。

 

八方睨みからの眺望。

 

紅葉がきれいだ。ドウダンツツジ。

 

一つ目の偽ピーク。

 

妙高山と紅葉。

 

2つ目の偽ピーク。

 

10時、神奈山の山頂に到着した。

 

神奈山の山頂から。妙高山はガスがかかってきた。

 

地元の山が確認できてうれしい。

 

ススキの穂が風に揺れていた。

黒沢山

 黒沢山と名のついた山はたくさんある。
 今回挑戦したのは松本市梓川と安曇野市三郷の境界にある黒沢山(2051.3m)だ。今年2月に黒沢山の南に座する天狗岩から挑戦したが、時間切れで泣く泣く引き返している。なんとその時に右ひざを痛め、今も治療しながら山登りをしているという、私にとってはいわくつきの山である。
 黒沢山にこだわるのは、ルートがなく標高も2000mを超えているから。尊敬する南川金一氏は、1993年3月に登頂している。
 今回考えたルートは金比良山から西に延びる尾根を詰めて黒沢山の山頂に立つルートだ。残雪期なら簡単だろうが、あえてこの時季に登ってみたかった。台風一過でいい天気のはずであったが、予報に反して曇天とガス。登山道がなく昨日の雨でぬれた笹藪を漕いでいくから、最初から雨具をつけてスタートした。
 金比良山までは登山道があるようなないような・・。それでもなんとなく道型をたどりながら中塔城を過ぎ、ガンガン進んで行く。
 やがて笹藪が出てきた。1500mを超えるあたりからは背丈以上の笹藪になる。でも先週の思いをすれば、なんてことない!行くしかない。1600mあたりからは熊の食料地帯。たくさんの熊棚と熊棚から落とした枝が散乱していた。熊さん出てこないでね。
 複雑な尾根の形をしている。地形図には現れない。残雪期なら迷うことなく尾根を登って行けるだろう。尾根が広くいくつもに分かれているので、どの尾根が主流なのかを見分けるのが大変だ。笹藪で見通しもきかないし。
 12:20に黒沢山に到着した。眺望はない。笹藪に囲まれ、三角点を探したが見つからなかった。
 登りに約6時間要している。下りは4時間はかかるだろう。しっかりとビールタイムを過ごして13:00に下山開始。ギリギリ暗くなる前に駐車場所に戻ることができた。
 ルーファイの難しい山であった・・・が感想。

 

2020年10月11日 ルート図

 

地図では金比良山まで登山道がついているが途中から道が不明瞭になる。

 

アキノキリンソウ

 

金比良山。三角点があるだけで何の標識もなかった。

 

背丈以上の笹藪に突入。

 

笹藪が続いている。

 

1600mを超えると熊の餌の宝庫地帯。熊棚から落とした枝が散乱している。

 

これは木の実の殻。リス?かな。

 

約6時間かかって黒沢山。いつもの儀式。

 

黒沢山の山頂の様子。眺望なし。

 

秋が始まっている。登っている時には気が付かなかった紅葉。

 

1672m地点の空。

片貝川・東又谷~平杭乗越~西谷ノ頭~毛勝山

 1週間前に、劔岳北方稜線上からちょっと外れるがサンナビキ山に登頂した。北方稜線をつなげるうえで外せない山であるのがサンナビキ山。
 来年以降滝倉山~毛勝山をつなげる予定であった。・・・が天気予報が10月2日~3日にかけて非常にいい。ということで急遽、平杭乗越から毛勝山まで縦走することにした。
 計画は、片貝川・東又谷を遡行して二俣手前でテン泊。翌日に平杭谷を登り平杭乗越から西谷ノ頭を通過して毛勝山までの縦走。
 成功すれば劔岳北方稜線で残されたのは、滝倉山から平杭乗越間となる。さてどうなることやら。

 

2020年10月2日~3日 ルート図

 

10月2日

1週間前と同じところから片貝川・東又谷へ入渓。

 

天気は約束されている。

 

東又谷本流を進んで行くとサルが!

 

赤倉谷。1週間前にはこの赤倉谷の左岸の尾根である赤倉尾根に取り付いた。

 

モモアセ谷。大小の滝40余りを数える。

 

東又谷には結構な滝がある。大岩から落ちる滝には登れない。

 

10m落差の三階棚滝。

 

 三階棚滝は左岸に高巻くルートがある。2年前にこの高巻で肋骨にひびが入ってしまったトラウマのルート。

ロープが切れそうになっているとの情報があったので、高巻からの懸垂下降用のロープを持参した。

 

ここを懸垂下降して、三階棚滝の落ち口に降りる。トラウマ克服!!

 

三階棚滝に落ちる滝。

 

 三階棚滝を過ぎると何ケ所かの高巻をして本流を進んで行く。

天気がいいので滝のところに虹が出ていた。

 

井ノ寺谷

 

作之丞谷。ここまで来るとテン場は近い。

 

平杭乗越が見えてきた。明日あの乗越を目指すのだ。

 

小清水。ここを過ぎるといいテン場がある。

 

 2016年7月に大清水を遡行してを毛勝山へ登頂したときに見つけた岩屋のテン場があるのだ。
 テン場までゆっくりと5時間ぐらい。

テン場から明日登るルートの観察。

 

西谷ノ頭から毛勝山までが長いわ。

 

テン場から北方に目をやると、これまた素晴らしい。

 

初日の夜はもちろん焚火で賑やかに。

 満月の月明かりが一晩中テントの中を照らしてくれていた。静かに夜は更けていく。

 

10月3日

 今日は長丁場になる。明るくなると同時に出発。といっても6:15スタートとなった。
 平杭谷は2018年に遡行しているから様子が分かっている。平杭乗越までは気が楽だ。

さあ~行くわよ!今日歩くルートをテン場から確認。

 

1434mピークの左に入り込むと貫ノ寺谷。ここを過ぎると平杭谷になる。

 

平杭谷に入った。

 

ウメバチソウが咲いている。秋の花。

 

山アジサイも咲いている。夏の花。

 

山アジサイの花の中。

 

平杭谷を登って行くとウドノ頭が現れた。すごい!

 

西には後立山が。

 

平杭乗越にきた。

 石川の山友のMさんとKさんが何年か前に付けてくれた印。これがあるから平杭乗越と確認できるのだ。でないとヤブヤブでよく分からない。
 Mさん、Kさん有難う!

 

乗越の藪の間から見えた鹿島槍ヶ岳。

 

後立山がきれいに見える。

 

いつも思うけれど、歩いた山を別のところから眺めることができるのはいいものだ。

 

 さあ~これから西谷ノ頭に向かって進むのだ。ヤブヤブをグングン漕いで、まあ疲れますわ。

藪を瞬間抜け出たところで、西谷ノ頭が見えた。

 

振り返ればウドノ頭(右)と滝倉山(左)。すごいわ。

 

このやせ尾根を進んで西谷ノ頭へ向かう。

 

下には東又谷の二俣が。

 

そして正面には、西谷ノ頭を経由して行く毛勝山が姿を現した。

 

 再び藪の中に突入。激藪でなかなか進まない。スタートから約6時間かかって西谷ノ頭に到着した。

西谷ノ頭でいつもの儀式。ここから先も長いので、すぐに出発。

 

 しばらく藪と再び格闘した。と、突然藪から抜行けだすとテン場にいい気持のいい空間が合われた。そして池塘があった。
 ここは夏はお花畑であろう。その名残がたくさん。でも無雪期に来る人はほとんどいないから、ここでのお花畑に出会った人は・・・?
 今の季節に、この場に出会えたことはとても嬉しい。

毛勝山を見上げながら、いい時間を過ごせるに違いない。

 

再び激藪に突入。

 

すぐに藪から抜け出す。そして振り返ったら・・!ワオ~。

 

 いよいよ毛勝山への登りと取り掛かる。天国への階段と呼ばれる。しかしまた藪が出てきて、どこが天国への階段?なの。
 しばらく藪と格闘。それにしても濡れた沢靴もしょっているから荷物は重いし、両手で体を持ち上げながらの登りはきつい。
 間もなく草付きに出た。

と思ったら、目前に大きな岩稜が。同ルートをとるのだろう・・。

 

 立ちはだかった岩稜の傍まで行ってルートどりを確認。結局岩の際を右に巻いた。

やっと毛勝山の山頂手前が見えてきた。ここから2時間弱はかかるかもしれない。ここまで来ると時間との競争だ。

 

 時間との競争は分かっているんだけれど、振り返ればこんなに素晴らしい眺望がある。今まで歩いてきたルートの一部。そして来年に回すルートは、滝倉山からウドノ頭の下の平杭乗越まで。

 

そして前方(南)には劔岳からの稜線が。今回初めて姿を現してくれた劔岳。

 

西には鹿島槍ヶ岳と五龍岳が。

 

そして五龍岳から天狗ノ頭まで。

 

やっと毛勝山の肩に乗り上げた。2016年7月に大清水を登り上げて出た毛勝山の稜線に到着。すごく嬉しくて涙がちょっぴり。感動です。

 

その場からの劔岳が大きい。

 

今朝のスタートから8.5時間かかって毛勝山に到着した。

 

毛勝山からの眺望。今まで歩いてきたルート。ウドノ頭は未踏。

 

劔岳

 

ここ毛勝山から劔岳までの稜線がつながっている。

 

日本海も見える。

 

 これで平杭乗越から劔岳まで稜線がつながった。
 苦労したが歩き通すことができた喜びは大きい。宇奈月温泉から滝倉山までも繋がっているので、後は滝倉山から平杭乗越までの稜線を繋ぐことだ。ウドノ頭が難物。
 毛勝山で過ごす時間はすでにオーバー。駐車場所に戻るまでには暗くなってしまうのは確実。
 急ごう。ヘロヘロになりながら下山に取り掛かった。

この毛勝山からは登山道があるので気は楽。クワガタ池がよく分かる。

 

下山途中にウドノ頭を観察。ウ~ンやっぱり手ごわそうだ。

 

振り返れば、紅葉が始まった毛勝山の姿。

 

クワガタ池に到着。東又谷の大清水右俣を詰めるとこの近くに出る。

 

残雪期に歩いた稜線

 

いくら見ても見飽きない。時間がどんどん過ぎていく。

 

栂海新道までよく見える。初雪山にも登った。

 

後立山連峰も輝いている。

 

歩いてきた劔岳北方稜線に呼びかけたくなる。

 

午後6時前。間もなく日が沈む。

 

 2日目に歩いた時間は14時間。
 途中ヘッデンのお世話になりながら午後8時に駐車場所に到着した。とても疲れたが、今回の目的が達成できたことの充実感。満足満足。
 残すは滝倉山と平杭乗越間。来年にチャレンジだ!

サンナビキ山

 劔岳北方稜線をつなげることを意識してから3年は経過している。登山道のない区間のうち、滝倉山から毛勝山までが未踏破である。また北方稜線から少し外れるが、滝倉山から北東に伸びる稜線上にあるサンナビキ山(1949.3m)は外せない。
 今年になってサンナビキ山を3回計画した。2回目までは、天気の具合であきらめざるを得なかった。今回3回目は今年最後のチャンスになるだろう。
 天気が安定しなくドキドキであったが、石川からの山友が決行するという連絡がはいったので行くしかない!天気予報も3日間は保証してくれているし・・・ということで、いよいよその時を迎えた。

 

2020年9月20日~22日 ルート図

 

第1日目(9月20日)

駐車場から1.5時間。東又谷入渓

 

 今年2回目の計画時は、BCに到着する前に雨に降られ、BCで2時間ほど待機したが撤退している。今回は順調にBCを通り過ぎ赤倉尾根に取り付いた。
 赤倉尾根は2年ぶりである。1日先行している石川グループが藪払いをしてくれていた。
 赤倉尾根の急登をガンガン登る。それにしても荷物が重い。3日分の水を担いでいるし、荷物が肩に食い込む。

赤倉尾根から東又谷のモモアセ谷の姿がよく見えた。滝が続く谷だ。

 

やがて平杭乗越と西谷の頭が見えだした。未踏破区間である。来年に挑戦する予定。

 

そしてウドノ頭

 

1801m地点の赤倉ノ頭と呼ばれるピークにやってきた。北方稜線上に乗っかったのだ。ここからは毛勝山と劔岳がよく見えた。

 

東には後立山連峰。

 

北北西に駒ヶ岳。駒ケ岳からこの赤倉ノ頭までの北方稜線は踏破している。

 

2年目に登頂した滝倉山も。

 

 こうした山々を眺めていると元気が出る。
 石川グループがここに水をデポしておいてくれたのは感謝だ。その水も背負い込む。ここから約1時間で、今日の目的地のC3に到着予定。そこで石川グループと一夜を過ごすのだ。少し進むと石川グループのMさんの声が聞こえた。間もなくC3だろう。
 「お~い」という掛け声に「お~い」と答えてくれる。
 スタートから約7時間かかってC3に到着。MさんとKさんは、焚火をして待っていてくれた。久しぶりの再会だ。お疲れ様。

C3は気持ちのいいテン場。

 

 石川グループが整備した展望台もある。
展望台からは毛勝山がよく見える。夕暮れの毛勝山を堪能できるのも石川グループのおかげ。

 

 火を囲みながらゆっくりとした時間を過ごす。
 夕食はKさんが用意してくれたすき焼き。これはサプライズだった。みんなで翌日の作戦を。二人は北方稜線の最後に残されたである滝倉山からウドノ頭手前までを踏破する予定だそう。お互いの完登を祈って何回もアルコールで乾杯しました。

 

第2日目(9月21日)

 夜中に雨の音で目が覚めた。ムム、天気予報と違う。
 朝起きたら一面ガスっている。今日がメインなのに・・・。でも行くしかない。今日が今年最後のチャンスでもある。
 サンナビキ登頂済みのMさんによると、C3から滝倉山までは2.5時間、滝倉山からサンナビキ山まで4時間ぐらいだそう。朝6時にテン場を出発した。

滝倉山までは2年前に登頂しているから様子が分かっている。しかしこの2年間のうちにかなり藪化が進んでいた。

 

間もなくガスの中に滝倉山の姿が現れた。

 

ちょこっと太陽が顔を出したり・・。

 

ほとんど迷うことなく約2時間で滝倉山直下に到着した。

 

 ここからだ。
 ガスっているので目指すサンナビキ山が見えない。非常に厄介だ。

滝倉山から派生するサンナビキ山への尾根をGPSで確認しながら藪をかき分け進んで行く。

 

一瞬ガスが切れてサンナビキ山が見えた時は嬉しかった。しかしサンナビキ山までのルートを目視している間に、またガスってしまった。

 

地図にないアップダウンがたくさんある。

 

ふと下を見れば、小黒部の谷。

 

地形も複雑で地図とはかなり違っているようだ。このようなやせ尾根もガンガン進む。

 

MさんとKさんが2年前に登頂したときにつけておいてくれた赤テープに出遭うとホッとする。間もなくサンナビキ山山頂。頑張らなくちゃ!

 

滝倉山から2.5時間かかってサンナビキ山の山頂に立つことができた。

 

藪の中で眺望はなし。三角点を確認していつもの儀式。

 

そしてMさんとYさんが設置したサンナビキ山のプレートがかかっている木の上に登った。わ~い一番高いところじゃ!

 

 予定より早かったのでゆっくりとビールタイム。

時折青空が顔を出すが、たちまちガスの中。

 

さあ~引き返すか。気持ちに余裕が出て、そっと咲いている花に気が付いた。

タムラソウ

 

シラタマノキ

 

リンドウ

 

サンナビキ山をピストンして滝倉山の山頂に登頂。抱き地蔵がチョコンと。これで心置きなくC3に戻ることができる。

 

やがて石川グループもC3に戻ってきた。明るい表情。二人はこれで全長50キロの劔岳北方稜線がつながったとのこと。おめでとう。おめでとう!

 

今回の山行でお互いに目的が達成でき、火を囲みながら大いに盛り上がる時間を過ごした。

 

第3日目(9月22日)

気持ちのいい朝を迎えた。C3の展望台からの毛勝山は、今朝はちょっと違う?

 

 目的を達した後の下山は嬉しいようなさみしいような・・。
 C3の撤収を少し手伝い先に下山にかかる。Mさん、Yさん有難う。今度は来年積雪期にね。二人と別れがたく、何度も振り返っては手を振った。

 

下山時に確認。

 

北方稜線と大明神山。すべて歩いている。

 

劔岳と八ツ峰その左奥に黒部別山がよく見える。かつて歩いた山を眺めるのは気分がいい。

 

今度は今見えている稜線を繋ぐのだ!2~3年かかるだろう。

 

駒ヶ岳から赤倉ノ頭へ続く稜線。

 

眺望は赤倉ノ頭まででお終い。十分山々を楽しんでから、赤倉尾根を一気に下った。