年に2回行われる連合長野と長野県経営者協会の懇談会。今回は日銀松本支店長の真川伸樹氏を迎え、「長野県を取り巻く金融経済情勢」について考える懇談会を開催した。
真川氏は「人手と経済活動」という演題で、
1 最近の金融経済情勢
2 人手不足感が強まる下での地域企業の投資・事業戦略
についてのお話をいただいた。
興味深かったのは上記2の内容。2025年5月20日に公表した標題レポート(地域経済報告<さくらレポート>別冊)より取り上げられた事例だ。
(1)AI等のデジタル技術活用の広がりとして、
①労働投入量を一段と節約した事例
②人員一人当たりの収益力を高めた事例
(2)規模拡大を通じた収益強化策からの脱却として、
①既存の製商品・サービスの高付加価値化など、質的向上を重視したケース
②人手を要しない新たなビジネスを展開した事例
(3)人員配置や事業・サービスの抜本的見直しで
①収益性の高い事業への重点的な人員配置の事例
②低利益率の製商品・サービスの廃止や採算の低い事業からの撤退の事例
③他社への事業譲渡を検討・実施した事例
(4)企業をまたぐ経営資源の共用化として
①同業他社と経営資源を共用化し、事業を継続した事例
②地域横断的な取り組みなど、より多くの企業・団体等と連携した事例
以上のものが紹介された。
大阪の経済団体では、企業間で人材やノウハウをシェアすることで人手不足の課題を解決できないかと考えてるとあったが、現在長野県の東信では、すでにこうした動きを開始しているところがある。
労使の共通課題としての意見交換は熱が入った。
連合長野の根橋会長のご挨拶

長野県経営者協会の松下会長のご挨拶
