土地収用法第65条第1項第3号

 長野県収用委員に就任して何年か経過した。今2期目である。

 ある事業(砂防堰堤工事)について、権利取得裁決申請及び明渡裁決申立がされた。今回は、その裁決申請等の審理又は調査に関する事務を指名委員として受託した。

 初めて現地調査に参加した。砂防堰堤建設のための土地収用であり、すでにできている作業用道路を利用して、対象土地近くまで移動。土地所有者のうち1名が参加し、一緒に現地での説明を受けた。

 事業目的、箇所概要、対象土地と立木の確認等も含め丁寧な説明があり、それに対しての質問もさせてもらった。

 いつも山奥まで入り込むが、その時に目にする砂防堰堤は無残なものもあった。しかし研究開発がなされ、現在建設されている砂防堰堤は格子に組まれたものだそうだ。

作業道を車で進んで終点まで。ここで事業目的等の概要の説明があった。

右側の谷の奥に砂防堰堤が2基建設される予定。

細い踏み跡をたどりながら登っていく。

谷に人が立っている場所が第1堰堤の中心点となるところ。

対象となる土地と立木。黄色いテープが巻かれている木が対象。スギとカラマツで、広葉樹は対象外だそうだ。

この奥に砂防堰堤ができる。第1砂防堰堤と民家との距離は直線距離で150mとのこと。第1砂防堰堤は谷の口が一番狭まったところに建設するものらしい。

 土砂災害警戒区域に生活する住民のためにも早い実現が望ましい。

 現地調査が終了し、場所を移して審理がスタートした。人定尋問、陳述及び質問を経て審理は終了。いくつか疑問点を質問した。結構起業者とのやり取りがあり、大変勉強にもなり、またその事業においての納得感も得ることができた。

 後日、収用委員会での裁決会議で終了となる。