長野優良法人会総会・記念講演会

 長野優良法人会の総会と記念講演会が開催された。優良法人の顧問税理士と来賓含め50余名が出席し、いつもにはない賑やかな総会と記念講演会、そして引き続いての懇親会であった。

 記念講演会では「地方での企業経営、人手不足と向き合う。パートアルバイトさんは戦力になるのか?」という演題で、株式会社スマイル・ラボの代表取締役赤沼留美子氏からのご講演をいただいた。

 経営者の悩みランニングには

 1 カネ・資金繰り 2 ヒト・人材後継 3 市場・受注顧客  

があり、このヒト・人材後継について、働き手確保のチャンスをどこに見出すか。具体的にどうしたらいいかという内容で、非常に刺激があり、また気が付かなかった観点からの話でとても勉強になった。

 働きたいのに困っている人は誰か?『求人=救人』であることから、働きたい人達の困りごとを求人原稿に載せること!結果、いい人材が集まってくるノウハウの話であった。

 赤沼社長の目指すことは、シングルマザー家族が食べていけるようになる社会。少し工夫は必要だが、パートさんは戦力になるということでした。

長野県世論調査協会

 2週間ほど休暇を取って仕事に復帰した。これからが総会シーズンでいろんなことが予定されているが、まずG社会福祉法人の理事会に出席。その日は引き続いて長野県世論調査協会の企画委員会に出席した。

 今年度から副委員長に就任し、協会として行う調査内容について検討していくようになる。以前からこの協会で行った世論調査には興味を持っており、過去調査内容などを見せてもらっている。

 2025年中に行う独自調査の内容の検討と世論調査テーマの検討をした。

 県民の多くは自分の生活範囲が限られている。そのような中で、世論調査に参加したり、その結果を知ることにより、生活範囲が面となって広がっていくようになる。また県政も何を目指すべきかの参考になると思う。

 2時間の会議は、各委員からいろいろな意見が出され非常に充実したものであった。私自身も新しい世界に一歩踏み出した感じ。

考古資料で読み解く信州の原始社会

 「考古資料で読み解く信州の原始社会」という演題で、長野県立歴史館学芸員の水沢教子氏の講演を聴講した。収集考古資料からの信州先史時代として、(1)旧石器時代 (2)縄文時代 (3)弥生時代の特徴の話も面白かったが、土器のことは大変興味深かった。

 通常、文化は南から北に伝わっていくが土器に関しては北から南に伝わったそうだ。土器に施される「直接的文様」や「間接的文様」も改めて特徴がよく分かった。

 火焔型土器に非常に興味があり、新潟まで火焔型土器を見に行っているが、火焔型土器は長野県に入ってこなかったそうだ。新潟独特のもので、それも祭祀のために作られたとのこと。1~2度はその土器で煮炊きをしたらしいが、それは神に対する捧げもののためだったと推測されるらしい。

 また十日町に火焔型土器を見に行こう。

 久しぶりに中身の濃いお話を聞くことができてよかった。

浅川葡萄農園の宗さん

 浅川葡萄農園の経営者である宗裕光氏の講演を聴く機会があった。昨年の秋に農園と長野市の支援金を活用した地区200年の土蔵を回収した醸造所の見学をしている。その時以来の宗さんとの出会いだが、改めて宗さんのワインに対する思いを聴くことができて嬉しかった。

 「ワインは食事をおいしく変える富士着な飲み物」であるという。宗さんのワインとの出会い、人生の転機等もの話は初めて聞いた。

 2024年9月に醸造所を開業。そこでの初の果汁の1滴に体が震えたそうだ。

 また浅川という中山間地で2018年10月から開墾をスタートさせ現在に至っているが、これまでの間に中山間地の課題が見えてきて、その課題解決につながるワインづくりを続けている宗さんは、とても輝いていた。

 宗さんが育てたブドウで造った品質の高いワインで、地域を盛り上げるという奇跡が起きている。そうした宗さんの想いと働きに、応援サポーターとしてかかわっていきたいと思っている。

土地収用法第65条第1項第3号

 長野県収用委員に就任して何年か経過した。今2期目である。

 ある事業(砂防堰堤工事)について、権利取得裁決申請及び明渡裁決申立がされた。今回は、その裁決申請等の審理又は調査に関する事務を指名委員として受託した。

 初めて現地調査に参加した。砂防堰堤建設のための土地収用であり、すでにできている作業用道路を利用して、対象土地近くまで移動。土地所有者のうち1名が参加し、一緒に現地での説明を受けた。

 事業目的、箇所概要、対象土地と立木の確認等も含め丁寧な説明があり、それに対しての質問もさせてもらった。

 いつも山奥まで入り込むが、その時に目にする砂防堰堤は無残なものもあった。しかし研究開発がなされ、現在建設されている砂防堰堤は格子に組まれたものだそうだ。

作業道を車で進んで終点まで。ここで事業目的等の概要の説明があった。

右側の谷の奥に砂防堰堤が2基建設される予定。

細い踏み跡をたどりながら登っていく。

谷に人が立っている場所が第1堰堤の中心点となるところ。

対象となる土地と立木。黄色いテープが巻かれている木が対象。スギとカラマツで、広葉樹は対象外だそうだ。

この奥に砂防堰堤ができる。第1砂防堰堤と民家との距離は直線距離で150mとのこと。第1砂防堰堤は谷の口が一番狭まったところに建設するものらしい。

 土砂災害警戒区域に生活する住民のためにも早い実現が望ましい。

 現地調査が終了し、場所を移して審理がスタートした。人定尋問、陳述及び質問を経て審理は終了。いくつか疑問点を質問した。結構起業者とのやり取りがあり、大変勉強にもなり、またその事業においての納得感も得ることができた。

 後日、収用委員会での裁決会議で終了となる。

農業を成長産業にするために

 4月の日経懇話会も大変勉強になった。今回は、元農林水産事務次官・東京大学大学院客員教授の奥原正明氏が講師として「農業を成長産業にするために」という演題での講演であった。

 1 農業の現状

 2 農業政策の歴史

 3 1999年の基本法を踏まえた農政改革

 4 2024年の基本法改正

 5 米をめぐる政策

 の内容での話があり、最後に「農業を成長産業にするために」では担い手が農業者が日本農業をリードしていくことが重要という内容で締めくくられた。

 具体的には、①担い手を軸とした農業構造の確立 ②農地の集約化を前提に大区画化等のインフラ整備 ③担い手の自由な経営展開 ④経営安定対策(セーフティネット)を整備が政策改革であるということ。経済実態の改革として農業界と経済界の連携が必要、つまり流通改革で効率的な流通体系にし、民間主体の輸出拡大をしていく。輸出を前提に、縮小生産から生産拡大に転じる必要があるとのことだ。

 最後に政策提案があった。                                         法律改正により、農地バンクへの貸付を義務づけ、農地バンクに貸し付けられた農地における大区画化等の土地改良事業は、農業者負担を求めず全額公費で行う。また、市町村・農業委員会・農地バンク・都道府県の取り組み体制を強化する。

 仕事柄、農地を持て余している納税者や、中山間地における耕作放棄地等があることに接していたが、特に何か行動をするではなかった。今後、機会あるごとに今回お聞きした政策提案を伝えていきたいと思った。

 非常に勉強になった講演会であった。

米山奨学生オリエンテーション

 ロータリーでは「ロータリー米山記念奨学会」があり、学業・人物ともに優秀で、将来、国際社会で活躍する留学生を支援している。

 1月に選考委員会で決定した米山奨学生のオリエンテーションが行われた。奨学生はロータリーファミリーとなり、勉学に励むこと、ロータリークラブとの良い交流を心掛けることも心得となっている。

 奨学生に対しどのような行動を起こして行ったらよいかを含めての説明をした。その中でATM精神(明るく、楽しく、前向きに)で過ごしてほしいと、私の希望も含めて話をした。

 白鳥ガバナーからは「利他の精神・サービスと奉仕の違い・貴人との縁」などのキーワードが入った含蓄あるご挨拶も頂いた。

 1年後の奨学生たちの姿が楽しみである。

八重原ハム

 東御市に輝くものがある。それは明治24年築の廃校した小学校分校をリノベーションして生ハム工房として蘇らせ、息づいている八重原ハムだ。

 工房を見学しながらそこで作った生ハムをいただくために足を運んだ。

素晴らしいローケーションの中にあり、北東には浅間山がよく見えた。

廃校リノベーションした工房。

豚の骨付きのもも肉が原木になるための準備(磨き・血抜・塩漬け・洗浄)を経て乾燥庫で保管。

乾燥した原木は熟成湖で熟成させる。湿度や温度管理がしっかり行われている。

ある程度熟成した後は真空にして追熟性保管をする。

 素晴らしい職人技。一つ一つ手作業で行っており、生ハムづくりの自然環境に適した場所で素晴らしい原木を作り上げている。

 馬淵博臣氏に説明をしていただき、この工房に関わる人たちの想いに心が震えた。この建物を利用するに至るまでも多くのことを乗り越えてきただけに、輝くものがあるのだろう。

 そばの上に載っているのは生ハムで、まずは生ハムだけでそばをいただく。これがとてもおいしかった。生ハムコロッケと生ハムご飯。そばつゆは生ハムでだしを取っている。

 今まで知らなかった生ハムの世界。新しいことを知ると、周りの人に話したくなるんだわ。

新入社員研修レポート

 今春に入社した3人。うち二人は新卒者である。その二人に長野経済研究所主催の「2025年度新入社員研修」に参加してもらった。翌日の朝礼では、二人から研修の感想の報告が口頭であった。二人とも冒頭に「昨日は研修に行かせていただき有難うございました。」という一言からスタートした。すばらしい。

 そして研修の3日後には、二人から研修レポートが提出された。二人ともレポートの中には「感想」の記載もあった。

 Oさんは「学生と社会人の違いは『目的・責任・評価・人間関係・金銭』のほかに何かあるかなと考えたときに、私は一番に時間の使い方と言葉使いだと思いました。」と書いてあり、「5S」「ホウ・レン・ソウ」「お辞儀」についての学びがあったようだ。接客の七大用語は学生時代に学んで活用していたので自信があるそうで頼もしいわ。

 Tさんの感想は「今日教えてもらったことは明日から使えるようになる、という気持ちで講師の先生の話を聞きました。その結果、社会人としての自覚が芽生えたような気がしました。」とあり、「ホウ・レン・ソウ」、「お辞儀」について印象に残ったようだ。

 「細かいこと等正確には覚えられない部分があるので、テキストを見直したり、自分で調べたり、復讐をしておきたい。」の決意。

 「今回の研修を経て、自分がこの職場の仲間の一員で自分の態度が会社の印象に直結するということを忘れずに、学んだことを存分に発揮していきたいと思いました。これからも明るく元気よく仕事を覚えていきたいです。」の決意。

 これからの二人の成長が楽しみである。

新年度

 新年度を迎え、事務所では3人の入社があった。2人は新卒で1人はベテランさんの中途採用。いつの間にか事務所としては大所帯になっていた。

 外から新しい風が吹き込まれることは素晴らしいな・・・と改めて感じている。

 ATM精神で、「されて嬉しかったことをやっていこう」そして「有難う」といえる1日になるような職場での自分の在り方を意識して行ってほしい。

 ATM精神は、「A」明るく、「T]楽しく、「M」前向きにである。

 経営者側は労働の対価として給料を支払う。労働者側にとっては働くことの一つの目的ではあるが、もっと大切な目的を忘れないでほしい。それは自分の仕事を通して社会に尽くしていくということ。社会貢献につながっている仕事の仕方を忘れないでほしい。

 自己効力感も持ってほしい。「自分なら絶対にできる」、「きっとうまくいくさ」という思いをもっていろんなことにチャレンジをしてほしい。

 新年度に当たってこんなことを考えていたら、自分自身の大きな振り返りになった。