「民法相続編の改正」研修

 「民法相続編の改正」についての研修会。講師は税理士・公認会計士・弁護士の関根稔先生だ。非常に面白い観点からの講義で、私にとってはとても面白かった。
 関根先生の言葉に「民法は正義ではない。税法は正義である。」ということが何回か出てきた。民法の成り立ちはナポレオン法典(フランス民法)が基になっているところから、日本の慣行になじまない部分が残されているのも原因になっているらしい。

 今回の改正に「配偶者の長期居住権」があるが、関根先生によると、
1 利用される場面が想定できない。
2 20年、30年の長期の無償使用という不安定な契約になっていしまう。
3 長期居住権は居住者と土地所有者の両社の財産処分権を奪う。
 というのが結論だ。面白い。

 配偶者の相続分の改正はなかった。この件に関しても、関根先生の解説がすごく面白かった。
 離婚の場合は、財産分与で婚姻後に増加した財産の2分の1を取り戻せるから、相続で法定相続分が2分の1では、妻は自分の取り分を取り戻すだけだという。納得だ。
 今までこのような考え方をしたことがなかっただけに、民法に対して新たな開眼。いい勉強になった。

 雪にもめげず参加した研修会であった。

遺言執行者

 久しぶりに遺言執行者の就任。
 前回もそうだったが、今回も相続人が兄弟姉妹と配偶者で、遺産はすべて配偶者に相続させる公正証書遺言の内容であった。その遺言書の存在をまだ知らない相続人からは、配偶者に遺産分割の相談を早くも持ち掛けているらしい。
 ヤレヤレである。
 遺言執行者に就職した旨の通知と一緒に遺言公正証書の製本の写しを相続人に送付することから始まる。兄弟姉妹には遺留分がないから気は楽であるが、配偶者と他の相続人との感情的な問題が発生する可能性もあるだろう。

 直前に手掛けた相続は、公正証書遺言ですべての財産を姪に遺贈するだった。粛々と遺言執行を行ったが、遺贈された姪は複雑な心境だったようである。
 私も複雑・・・でした。

 

天気は予報通り雪。事務所の駐車場も、業者に雪をかいてもらった。

おかげ会

 新年になって、さっそく今年の「おかげ会」。今回は野沢温泉の道祖神まつりを目的に9名が集まった。

 

 「おかげ会」は、税理士会長野支部の支部長を担っていた時に、同時に他支部の支部長であった仲間の集まりだ。夫婦同伴も多く、毎年1度みんなで集まって楽しいことをやっている。
 今回で8回目になった。
 野沢温泉火祭りに足を運ぶ前の大宴会では、労苦を共にした時の話題が出たり近況報告があったり、すごく懐かしく楽しかった。

 

 とは言っても、せっかく火祭りを見に来たのだからそろそろ出かけよう!ということで、ミニ社殿の前で出陣前の笑顔がそろった。

 

 雪道を歩いていく。遠くに松明の火が見えると気持ちが高揚してきた。

 

 火祭り会場では、社殿を守る厄年の男たちと攻める男たちの間の攻防戦が行われていた。外国人も多く観客になって、みんなでワイワイ。オーストラリア、デンマーク、アメリカの人たちが多かったかな。片言の英語で会話しながらハグしたりして。
 約1時間半後社殿に火が入った。

 

 激しく火が燃える。

 

 いよいよ燈篭にも火が着く時が来た。この燈篭は、前年に子供を出産した家で奉納されたものだ。感謝の意とこの成長を祈願している。

 

 社殿がストンと落ちた。

 

 このまま中心のご神木に火が移り激しく燃え最高潮に達して・・・。

 

 宿泊は「旅館さかや」と「湯宿・寿命延」。ゆっくりと両方の宿の温泉に入って、大湯にも入って満足の行く一晩。

 翌日、地獄谷野猿苑でお猿さんと対面した。
 このカメラ目線。

 

 こうした姿は微笑ましい。

 

 さあ~来年は、大町支部の曽根原先生が幹事です。楽しみ~。こうした行事が生きる力にもなっていくんだなあ~。

長野県経営者協会賀詞交歓会

 長野県経営者協会賀詞交歓会が開催された。もちろん出席。今年は事務所の職員2名も出席してもらった。
 新春講演会では、「銀座のママがそっと教えるリーダーになる人の共通点」という演題で、銀座「クラブ由美」オーナーママの伊藤由美氏の講演があった。
 銀座に「クラブ由美」をかまえて35年。その間に見てきた様々な人々の浮き沈みからリーダーになれる人はどんなことに心がけているかの話をしてくれた。
 その後の賀詞交歓会。
 大勢の長野県下から集まった人たちとの交流の時間はあっという間であった。県知事や副知事とも行政の話ができたし、特に中島副知事には経営者協会女性部の活動についてのご理解をいただけた。
 県内経営者は、消費税増税の影響を懸念し景気や国際情勢の先行きに不安をもっている。そうした中で、税理士として、税のことにとどまらずどのように年間活動していくか・・・。クライアントとの日々の小さな積み重ねが少しでも不安が払拭される機会になればいいと思っている。

年賀状

 今年の仕事始めは7日であった。
 事務所に出勤して、職員の元気な顔を見ることができてホッとしている。そして1日かけて年賀状に目を通した。
 職員からの年賀状に気持ちが明るくなる。一人一人自分の想いを書いてきてくれたからだ。昨年1年を振り返り、今年の1年をどのように自分と向かい合いたいか・・を深く考え、決意表明してくれたと思っている。
 業務がスタートして、みんな年末調整とそして提出が近い相続の仕事に取り組んでいる。いい職場環境になるよう考え運営していくのが私の仕事でもある。

 年末年始の休暇には、東欧のウクライナとベラルーシに足を運んだ。
 ここで学んできたことは、ソ連時代の重い歴史を引きずっているということである。チェルノブイリにも行ってみた。ここでは残された負の遺産から問いかけられたものが多かった。こうした体験を何かに繋げられたらいいと思っている。

  
 ベラルーシの首都ミンスクの聖シモン・聖エレーナ教会の敷地に設置してある鐘。これは長崎の浦上天主堂から贈られた鐘で、鐘の記念碑の下には広島と長崎、福島の土を入れたカプセルが埋められている。

最終日

 今年も仕事上でもいろんなことがあった。あっという間の1年であった。

 今日は事務所での執務の最終日である。
 法人と相続の申告を済ませて明日から私は長期休暇をもらう。心配しないで。職員への賞与計算も今日中には済ませ、27日に支給されるよう手続きをしておくから。
 賞与計算するときには、いつもその人の仕事の取り組み方が頭を横切る。何事も前向きに取り組む姿は清々しいし、私自身も元気になる。不器用であっても、転びそうになっても、周りの人に助けながらも踏ん張る姿は、経営者にとって支えになるのだ。
 人生のチャンスはたくさんある。そのことをチャンスとしてとらえるには、いつも心を開いていないと難しいだろうな。心を開いてないと自分の手でつかめないだろうな。

 1年間を振り返りつつ海の向こうへ渡り、そして新たな1年をどう送りたいかを考え決心する時間を送るために23日から出かけます。

美しい人間関係

 長野県理美容学園の理事長より「美しい人間関係」という演題での講話をいただいた。理事長は50年以上も前に出会った南岩男先生の影響を受けて人生を歩んできた方だ。南岩男先生は、吉田内閣時代に官僚経験ありという労務管理の第一人者であった。
 理事長は言う。
 「人生を決定づけるような出来頃が何度はあると思うが、私にとって、この出会いがまさにそれだった。」
 理事長の80有余年の人生の結晶が「美しい人間関係」の講演となったのだ。

 多くのことが心に響く内容であった。
 
 チームワークの団結について、心と心がガチっと結びつくチームワークは最上級のポテンシャルを秘めている。メンバーから尊敬されなくてもよい、しかし信頼されることが大事である。信頼されるための条件は5つ。
1 自分が先に相手を信頼すること。
2 先に相手の立場に身を置いて考える。
3 約束は絶対に守る。
4 正直であること。
5 密なコミュニケーション。
 私が一番響いた部分である。

 理事長は南岩男先生からお聞きした「美しい人間関係」を人生の羅針盤として生きてきた。大きな失敗をすることなく前を向いて歩んでこられたのは、常に「美しい人間関係」に込められた多くの価値を心にとめてきたからだという。

 「美しい人間関係」のために何をしていくべきか、自分を振り返るいい機会であった。

愛川晶先生のちゃー子

 作家の愛川晶先生とは、作家デビュー以前からの知り合いだ。高校の社会科教員を務めながら作家生活を送ってきたが、作家業が忙しくなり、今は作家業に専念されている方だ。

https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E6%84%9B%E5%B7%9D-%E6%99%B6/s?ie=UTF8&page=1&rh=n%3A465392%2Cp_27%3A%E6%84%9B%E5%B7%9D%20%E6%99%B6

 愛川先生がかわいがっている猫ちゃんの写真が届きました。
 ちゃー子という名前。愛川先生は作家業の合間に、ちゃー子の世話し、ギターも楽しんで弾いて、運動も毎日30~40分位道具など使ってしているそうだ。
 ぜひ本を購読してください。

マサエさんのこと

 長いお付き合いのあるマサエさん。
 家業を受けついで商売に専念し、15年ぐらい前に事業承継で息子に社長を譲り渡した。現在86歳。すごくお元気で、訪問させてもらうたびにいろんな話が飛び出してくるのだ。だから時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。
 マサエさんは思いついたことをノートに書き留め、時々その書き留めた言葉を読みかえしながら思いにふけることもあるという。そのノートを、お会いするたびに見せていただくが、マサエさんの家族はそのノートの存在を知らない。
 80歳の誕生日に書き留めた言葉。「金でもない。物でもない。人生に大切なのは家族だ。」
 家業を受け継いで一生懸命商売をやってきた。金を稼いできた。しかし引退してふと過去を振り返り、今の生活を見つめた時に頭に浮かんだ言葉だそうだ。
 マサエさんの人生の一部に関わってきて、その時その時の想いを知っているだけに、私にはマサエさんが残し続けている言葉が宝物となって響いてくる。
 最初は税理士としてマサエさんに出会った。今はお友達としてマサエさんとお付き合いしている。いつも前向きで、家族のことを思いやる気持ちから決して波風立たぬように生活している。時には自分の気持ちを抑えたりして。だから秘密のノートにはマサエさんの想いがいっぱい詰まっているのだ。
 マサエさんのように年を重ねられたらいいな・・・と思う。

 マサエさんの仕上げたぬり絵にはビックリした。

 

マサエさん。とても86歳には見えません。

 

マサエさんの作品。

現金手渡

 相続の仕事をしていてビックリしてしまった事実。
 かんぽ生命の満期金を、いまだに現金払いすることもあるらしい。確かに10年ぐらい前までは、満期金の手渡しが行われているのが普通であった。しかしその後はトラブル等を防止するためにも、口座振り込みに改められたと思っていた。
 ところがである。
 相続の仕事をやっていて、被相続人や相続人のかんぽ生命の流れを追っていたら不明なことが多く、問い合わせたら満期金が現金で手渡された事実が発覚し、もうビックリである。かんぽ生命の担当者は、現金渡しだからその満期金の行方は分からないという。通帳に振り込まれていればはっきりするのだが・・。かんぽ生命も原則は振り込みだが、頼まれれば現金渡しをするという。他の保険会社では考えられないことだ。
 問題は、その満期金が不明金になってしまったことだ。こういった金が頭を悩ますことになる。

 年間多くの相続を手掛けているが、一番苦労するのはこうした資金の流れである。被相続人や相続人の7~10年間の預金調査をして遺産を固め申告をすることにしている。預金調査を拒否する相続人の仕事は引き受けないこととしているのがポリシー。