経団連労働法フォーラム長野大会

 経団連労働法フォーラムが軽井沢で開催された。

 第1日目は、木村一成弁護士が「社員の問題行動への適切な注意・指導のあり方とハラスメントリスクへの備え」についての基調講演。引き続き事前相談を軸にしたパネルディスカッションが行われた。

 基調講演においては、実際の裁判例も紹介され、特にハラスメントの対応については非常に参考になった。どこの組織でもありうることで、個人的には、どんなことに留意したらよいかが整理されてよかった。

 後半のパネルディスカッションにおいては、各企業が抱えている現実問題が取り上げられ、どのように対応したらよいか具体的な指導もあり、これまた今後の企業活動において意識していかなければならないことと自覚できた。

 人あっての企業であり、まさに現代は人的資本経営である。人的資本経営ができてこそ経済活動につながっていく。

 多くの経営者に学んでほしかった。今日の学びを、各企業の経営陣に伝えることも使命としていきたい。

長野・静岡・山梨3県経営者協会情報交換会

 毎年開催している長野・静岡・山梨3県経営者協会情報交換会が、今年は長野で開催された。最初に「地方公立大学の取り組みと課題」という演題で、公立諏訪東京理科大学学長の濱田州博氏の講演でスタートした。

 令和5年度の統計によると日本全大学の学生数は260万人で、工学を学んでいる学生は38万人。社会科学や人文科学が多い。

 大学が私立から公立になったことでの地域内入学者は減少する。授業料が下がったことで県外からの入学者が増えることだ。つまり公立・国立の学生がアパート暮らしをした場合の学生生活費と自宅から市立に通う学生生活費がほぼ同じであることから「自宅通学」できる範囲に多くの大学がある三大都市圏では、、自宅から通う私立を選択したとしても、アパートを借りて国公立に通う学生とほほ同じ学生生活費であるのだ。

 地方では「自宅通学」できる範囲に自分とマッチする大学がない場合が多く、アパート等を選択せざるを得ない。アパート等を選択した時点で、自宅のある都道府県内である必要はなくなるということだ。

 長野県においても人口県外流出が多く、県内に戻ってこないことが大きな課題となっている。県外流出については、濱田氏の話を聞いて「なるほどそうだったのか」と理解できたことが多かった。どうやって県外流出した人口を県内に呼び戻すかが課題だ。

 濱田氏の講演内容は多岐にわたり非常に興味深かった。

 講演の後、各経営者協会会長から各県の特徴や課題にどう向き合っているかの報告があった。

 来年は静岡での開催である。

信州日経懇話会・第3回例会講演会

 いつも楽しみにしている日経懇話会講演会。久しぶりに出席することができた。今回は、日本経済新聞社編集委員の大石格氏が「米大統領選2024直前情勢を読み解く」という演題での講演であった。

 米大統領選の仕組みが漠然としていたが、あ~こういうことになっているんだと大変面白かった。選挙管理委員会が有権者名簿を売っていて、アメリカは戸籍がないので、出生証明書で有権者名簿に登録して選挙に参加するとのこと。有権者は、直接大統領への投票ではなく、有権者の代表となる選挙人を選ぶのだ。

 現在アメリカでは移民のほとんどは非白人であり、ヒスパニックが多くなっている。文化的にも仕事もヒスパニックに取られているのが現状である。ヒスパニックはカトリック信者が多く、したがって避妊等を認めない。そうしたことから、移民流入を阻止できないハリスは不利になっているとのことだ。接戦になると多くのトラブルが発生するだろうとのことで、前回の大統領選のことを思い出した。

次へのステージ

 2024年10月10日、個人事務所としての最後の給与の支給が終わった。そして退職金の支払いも本日終了した。これで職員に対しての清算は完了し個人事業主としての務めは終わった。

 今日の各職員の業務の終了時に、最後の給与と退職金の支給そして個人事務所での今までの勤務に対してお礼の言葉をもらった時には胸一杯になった。税理士法人になって、この法人を引き受けてくれる税理士が新しい方向に向かって活動していてくれる。嬉しい反面寂しさも覚えているが、こうしたケジメとしての職員からの一言は本当に嬉しかった。そして「スタートした税理士法人でもよろしくお願いします。」と添えてくれた一言も嬉しかった。

 次へのステージがスタートしているのだ。寂しさではなくて喜びとして、一つ一つを認識していくこと。それが私のこれからの意識改革だ。これまで築いてきたものがどのように進化していくだろうか。期待と楽しみが形になって微笑む時が待ちどおしい。

アンガーマネジメント&アサーション研修

 年1回開催してきた事務所主催のセミナー。税理士法人になって第1回目のセミナーを開催した。税理士法人のお披露目もかねての開催である。

 今回は「アンガーマネジメント&アサーション」についての研修。ワークショップ形式で2時間。みんな和気あいあいと楽しんで(?)時間を共有してくれた。

 「アンガー」とは「怒り」で「マネジメント」は「後悔しない」こと。つまりは怒りの感情で後悔しないことだ。

 怒ることはいけないこと、悪いことではなく、無理して抑えたりかっとなって感情的になることなく、怒る必要のあることは適切な表現ができること、ということに大きな学びがあった。

 「アサーション」とは「適切な自己表現」のことで、お互いの主張や立場を尊重したうえで、誠実に率直に、自分の要望や意見を伝えることである。

「アサーション」の実現は、

 1 ゴールを明確にする  

 2 一番伝えたいことは何かを明らかにする  

 3 アンコンシャスバイアスや固定観念を疑ってみる  

 4  相手と共通認識を得られる言葉を選ぶ  

 5 「言わない」という選択肢もある

に尽きるとのことだ。

 言うか言わないかは、後悔するかしないかで判断する。「言えない」と「言わない」は違う。

 これらのことを一つ一つ吟味して自分のものにしたとき、そこには心理的安全性が働いて、働きやすい職場になっていくんだと思う。

 税理士法人としてスタートした今、職員も一緒になって学んでくれた「アンガーマネジメント&アサーション」 。更によい組織が出来上がっていくと信じている。

スプレーアスター

税理士法人スタート

 待っていた日がやってきた。個人事業を廃止し、税理士法人としてスタートした。そのスタートにふさわしいいい天気で、早朝散歩で見た飯綱山が素晴らしい。長野市のシンボルの山である。

 この税理士法人が、職員にとって安心して働け、クライアントにも地域にも必要とされる存在になっていくことを願っている。個人事業ではいつか終わりが来るが、法人であるならば何代もの税理士が引き継いでいってくれる。43年6か月積み上げてきたものが新生され、どのような色に染まっていくか楽しみである。

 たくさんのお花をいただいた。たくさんのメッセージをいただいた。この日を忘れずに、もう少し税理士業を続けていきたいと思っている。

感謝

 個人の税理士事務所は今日で終了した。最終日、あまり意識しないで過ごすようにしたが、最後の夕礼で職員に感謝の言葉を伝え、明日からの新しいスタートの決意表明をした。

 そして私にとっては嬉しい出来事が夕礼で起きた。

 配偶者から花束が届いていたのだ。その花束は、職員が私を支えてきてくれた感謝を、配偶者の立場で表してくれたのものだった。感謝の言葉が書かれたカードも添えられていた。やるじゃん!

 たくさんの花はみんなで分けてもらった。

 事務所がいい形で法人成りできるのも、一緒に事務所を運営してくれる良き税理士に出会ったから。そしてここまで職員みんなが頑張ってくれたから。花に囲まれて最終日を終わりにすることができて、私は心からすべてに感謝だ。

 人間いつかは退く時がやってくる。自分のその時まで、もう少し頑張って目標とする税理士としての集大成を形にしたいと思っている。

 明日、税理士法人の代表税理士としての第1日目がいよいよ始まる・・・。

税理士人生

 昭和56年3月に税理士登録をして開業。43年6ヶ月が経過した。この9月30日に個人事務所は廃業し10月1日付で税理士法人を設立する。一人で始めた税理士事務所も、今では職員合わせ11人が事務所に所属してクライアントのために、社会のために、そして自分のために働いてくれる。限りある人生に、だれもが安心して働ける環境を整えるには法人化が必要だ。

 間もなく事務所からは個人名が消えるが、職員がみんなで検討し、私の誕生花の名前を税理士法人名としてくれた。いずれは引退するときが来る。それまで職員たちの思いを大切に新しい組織でしばらくは税理士人生を続けていきたいと思う。

トップマネジメント懇談会

 長野県経営者協会主催のトップマネジメント懇談会が軽井沢で開催された。33回目の今回は「情勢の活躍について考える」をテーマに、講演においては2名の人が登壇し、その後パネルディスカッションが行われた。

 講演最初の登壇者は、株式会社キングジム・取締役常務執行役員の木村美代子氏である。『多様性を生かした価値共創・お客様と作り上げたサービスと企業成長』という演題である。

 多様性を生かした価値共創から生まれた事業内容が非常に興味深かった。特に消費者からのアンケートや商品の購入分析結果から、同じ商品でもパッケージを変えたり、また商品のセット方法などを工夫し、またどのような消費者対象にその商品を販売するのか等ネット販売による面白さがあった。まもなく開催される株主総会で社長に就任するそうだ。

 2回目の講演は、中電クラビス株式会社取締役岡野喜子氏である。岡野氏とは以前から面識があるだけに、とても楽しみであった。演題は『女性活躍について・自分らしく働く環境づくりを目指して』。

 今まで歩んできた人生においての気づきや工夫、提案、変化等を話してくださった。岡野氏が経験した窮屈さは、結果岡野氏自身への気づきにもつながったのがだ、そのことを聞いて、自分にも同じようなことがあったことを思い出した。

 岡野氏の言葉『女性活躍は多様な人材に向けた取組・Enjoy Working』は印象に残った。

長野県経営者協会と連合長野との懇談会

 長野県経営者協会と連合長野の懇談会が開催された。今回は、三浦労働局長から、長野県内の雇用・失業情勢、雇用・労働分野における各種支援・推進策についての話をお聞きし、意見交換が行われた。

 長野県内の雇用状況については、いまだに人手不足が続いており、個人的には、肌感覚であるが副業・兼業を行っている労働者が増えてきているようだ。副業者を受けいれる企業側の労働者に対する認識・知識が乏しいような感じも受けている。

 長野県において副業者がどのくらいの割合でいるのかを質問したが、把握はしていなかった。

 企業によっては、副業を全面禁止しているところもある。この懇談会に出席した労働組合が所属する企業も全面禁止状態だと言っていた。(本来は全面禁止はできないはずだけれど・・・)

 労働者側に立てば、収入が少なく、その不足分を副業で賄いたいという希望が多いが、組合で掛け合っても進展しない状況ということも聞いた。

 企業は人件費をコストととらえてはいけない。三浦労働局長の演題にもあったように「安心して働ける信州のために」経営者は考えていかなくてはならない。

 もう一つ、女性の活躍推進の中で、「えるぼし、プラチナえるぼし認定」と「くるみん、プラチナくるみん認定」の話があった。県内においてはえるぼし認定件数は28社、プラチナえるぼし認定件数は0社。またくるみん認定件数は84社、プラチナくるみん認定件数は17社である。

 この件についてもひとこと言わせてもらった。「えるぼし」も「くるみん」も女性活躍がしやすいように設けた制度とはいえ、大企業、中堅企業のための制度になっている。税制でもこれらの認定を受けると優遇される。中小企業が取り組みやすい制度設計をするべきだと以前から感じていた。この認定制度からして、ますます格差が拡大する一つの要因にもなっていると私は感じているのだ。

 普段から感じていることを発言してきた。もっと中小零細企業のことも視野に入れた制度になっていかないかなあ~と、常日頃考えている。