弥八山

 残雪期がどんどん終わっていく。
 貴重な1日は、また南川氏を追いかけて嘉平治岳に登ろうと笹ヶ峰に向かった。

 嘉平治岳は影火打からせり出した稜線上にある。残雪期にしか登れない山である。
 鍋倉谷を遡行し途中から嘉平治岳と鎧山の鞍部に取り付くことにした。そして南川氏と同じように、嘉平治岳のピークを踏んだら鎧山のピークへと思っていたのだ。

 鍋倉谷は雪解け水の流れが激しかった。
 右岸に渡らなくてはならないのだが、かなり遡行してもスノーブリッジは現れなかった。 
 仕方なく靴を脱いでの渡渉か。ここなら行けそうだ!という所を見極め裸足で川の中に入る。冷たい(当り前だが)。1歩1歩慎重に足を進めるが、急流の1か所がどうしても越せなかった。
 更に遡行しても同様だった。
 今年は雪が少なかったから、もう10日ぐらい早く来ればよかった・・・。

 どうしようか。
 天気は良い。地図を見たら鍋倉谷から弥八山まで行けそうだ。今自分がいる位置からちょうど真東に位置する弥八山であった。
 この山も、今の時季を逃したら登れない山である。

 急遽目的地を変更!
 結構な雪の斜面をどんどん登りやがて弥八山のピークへとつながる稜線に出た。
 うまく雪を繋ぎながら進んだが、途中の雪が切れた藪はものすごかった。左手に嘉平治岳や鎧山、噴煙が出ている焼山を眺めながら足を進める。
 やっと弥八山の姿が見えるところにたどり着た。が、その姿は弥八山の前衛峰で、結局3つのピークを越すことになった。
 車を置いて歩き出してから約5時間。ピークをGPSで確認し、赤テープを取り付けた。西側は多少藪がうるさい。南側には、乙妻山や地蔵山、神道山、佐渡山と既に登った山々が出迎えてくれた。

 今までに何人の人がこの弥八山のピークを踏んだだろうか・・・。なんて思ったら、とても嬉しかった。

 

杉野沢橋に行くまでの林道には水芭蕉の群生がところどころにあった。
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鍋倉谷の遡行を開始してまもなく鎧山が見えてきた。
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ヒコサの滝。ここは高巻いた。凍っているように見えるが、ものすごい滝の落音と水量だ。
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鎧山。南川氏はこの岩の上で眺望を楽しんだという。
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どうしても右岸に渡渉できなかった。
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弥八山を目指す途中からの堂津岳
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噴煙の焼山とその手前に嘉平治岳
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金山
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乙妻山。その手前に地蔵山。左には佐渡山。
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弥八山の前衛峰。ここから3つのピークを越す。
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弥八山のピーク。赤テープを付けた。
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オ~、焼山。
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嘉平治岳(右)。来年まで待ってらっしゃい!
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金山(右)と天狗原山(左)
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