星穴岳3兄弟岩峰

 週末天気になると、妙義山系のことで頭が一杯になる。
 今度は星穴岳(P4)と前回行ったP5の間を繋げてみたいものだ!ということで、久しぶりに中之岳神社から星穴岳を目指した。
 しっかりとルートができていてビックリである。
 何年も前に初めてこのルートを歩いた時には、かなりのルーファイを要した。今はマーキングまであるから迷うことがない。途中にはトラロープまで設置され、いささか興ざめ。しかし星穴岳の結び穴の基部を通り越すともう誰も足を踏み入れた気配はなかった。
 ここからが私の世界。
 すぐに次の岩峰が立ちふさがる。ルンゼを利用して鞍部に乗り上げ、そこから更に岩峰の壁に取り付いた。少々緊張を強いられたがその岩峰の肩に出て一息。さあここからどうする?ナイフリッジになっていて、これ以上登るのは精神的にきつい。岩が脆すぎる。左をトラバースして回り込むか・・!しかしそれも精神的にきつかった。支点が取れないのだ。
 仕方ない。この岩峰の基部を行くしかないのだ。登ってきたルートをどんどん懸垂下降で下る。一度結び穴まで戻った。何年ぶりだろう、この結び穴に立ったのは。年月が経っても変わらないこの自然は、自然界の中の自分の小さな存在に改めて心の琴線にふれるものがあった。
 あきらめた岩峰の基部を通り越し先に進むことにした。それにはかなり深い谷を下っていかなくてはならない。何回かロープを出して下降し次の岩峰へと回り込んだが、先を見込めなかった。
 今日はここまでか。偵察に終わり引き返す。しばらくしてきたルートに乗った。ここからは忠実に道をたどるだけ。・・・と思っていたら、面白そうな尾根が出てきて、時間も多少余裕があったので取り付いてみた。ここからがまた面白かった。なんと西岳の正面壁に突き当たったのだ。素晴らしい壁に登攀欲(?)が・・。やめておいたけれどね。

 誰も歩いた形跡のないところを逍遥した1日であった。

 なお、星穴岳とP5の間には3つの岩峰が立ちはだかっているのを確認した。勝手に星穴3兄弟と命名。P5側から1,2,3峰とし、今回は第2峰の2つ目の肩まで登りあげた。

 

2017年11月12日 ルート図
星穴3兄弟

 

星穴岳を目指す途中に現れる炭焼き釜。以前はこの炭焼き釜でルート確認をしたが、今はその必要がないぐらいしっかりとルートが整備されていた。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

3兄弟うち手前が3峰、左奥が2峰で2峰の右ピークまで登った。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

第2峰の2つ目の肩から第1峰を覗く。第2峰の壁をトラバースをするには精神的にきつくできなかった。第1峰と第2峰はつながっていない独立峰。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

第2峰はこれ以上進めなかった。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

星穴岳の結び穴。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

見る位置によって山の形状が変わる。左のピークが前回登頂したP5。その右が3兄弟で、真ん中の第2峰の右のちょこんとしたところまで登った。3兄弟の右が星穴岳、西岳と続く。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

西岳の正面壁に圧倒される。誰も踏み込んだことのない場所。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

本日の終了地点。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA