兜岩奥の院

 奥秩父の兜岩へは3度行った。1度目は兜岩東尾根に乗っかり、東尾根の頭で引き返している。2度目は2218ピークと兜岩の鞍部に乗りあげ、両方のピークに達ったのが2021年4月11日。3度目は先週の2022年10月23日である。

 これだけでも満足していたが、地図にある兜岩ワールドの中心部に踏み込んでないのが気になっていた。もう少し兜岩を探検してみたい。そんな気持ちがウズウズと・・・!

 時間的には余裕をもって歩けるところなので、今回は日帰りにした。

2022年10月29日 ルート図

 前回と同じ場所に駐車してスタート。この時点では曇っていて、大雉沢右岸からは兜岩が見えなかった。大雉沢の右岸に渡ると雪がついていた。冬の到来だ。

 1週間前のテン場を過ぎたところから斜面に取り次ぐ。同じコースを登っても面白くないからね。するとシャクナゲの激藪に突入してしまった。 しばし格闘したがこれも楽しい 。

 やがて見覚えのあるそびえたつ岩稜の基部に着いた。この岩の左側を回り込んで、岩の弱点を探し出しながら登って いけないか?

 ふとみるとこんなに大きなつららができていた。間もなくここも雪の世界になるだろう。

 地図と地形を睨めっこしながら、岩と藪を格闘。隙間をぬって登って行くとやがて見てきた岩。あの岩の向こう側には兜岩ワールドが広がっているはず。その基部が地図の〇印(2300m)かな。

 さらに奥に進んで行く。藪がうるさい。目指す岩が近づいてきたところでクライミングシューズに履き替える。1 0mぐらいの壁をよじ登ったらこの場所に。正面の岩を右側に回り込んで行く。下に切れ立っているので慎重に。

回り込んだら現れた目指す岩稜。ワクワクする。

 一度岩の基部に降りる。するとそこは雪の世界。クライミングシューズを履いたままだから足が冷たいわ。ここが兜岩ワールドの中心部。感動。

 雪の世界から目指す岩を登り上げた。素晴らしい岩が座していた。

 岩の世界に酔いしれる。正面の岩の右から上がってきた。

 正面の標高2300mの岩に立つ。気分いい。

 そしてここ(東側)からみる兜岩。あの兜岩に1週間前に立っている。2度登った兜岩をここから眺める人はほかにいないだろう。自己満足に浸る。

 眼下に見える稜線。1週間前と少し角度が違って・・・。嬉しいなあ~。

 こうした岩にチョコンと岩が。兜岩ワールドを十分楽しむことができた。自己満足の時間は限られているので、戻ることにする。

 途中くぐり岩が出てきた。ここをのぞき込んだら下に切れていた。ここから先は進めないようだ。でも下から登るのは可能かも?

 兜岩ワールドをさらに探検する。右手奥に見える岩が先度々立った場所。兜岩奥の院で忘れたので、ここでいつもの儀式をする。

素晴らしい岩稜群。

 クライミングシューズで最初に登り上げたところに戻ってきた。すごく楽しかった。楽しい時間はまだまだ続くのです。ここからは10mの壁を懸垂下降で下った。そしてクライミングシューズを脱いだ。

 来たルートを少し戻り、兜岩報告へ曲がりこんだら素敵な場所が。ここで焚火をして、マッタリとしたビールタイム。

 少し左手の方を見上げたら、あれは兜岩!あの基部まで行けないだろうか・・・?

 もうウズウズしちゃってジッとしていられない。ならば行くしかない。この岩の弱点は?上にチョコンと兜岩が見える。

 正面の岩の隙間に、先ほどのぞいたくぐり岩が見える。

 兜岩ワールドの探検は終了した。地図で見ると気になっていた兜岩奥の院にも踏み入れることができたし、兜岩一帯の岩稜群つまり兜岩ワールドを十分楽しむことができた。兜岩東尾根の頭から見た岩峰に今回立つことができた。 

 もうこの一帯には足を踏み入れることがないかもしれないが、誰も足を踏み入れたとことがないと思われる一帯に、自分の思いと足跡を残すことができたのは、今年一番の快挙だと思っている。同行してくれた藪山仲間にも感謝だ。

 下山時には兜岩がよく見えた。ありがとう。