二月大歌舞伎

 歌舞伎座の2月公演は、今日(2月25日)が千秋楽。演目の「船弁慶」をどうしても観たかった。1週間前ぐらいに検索したら、千秋楽なのに、なんと2列目の真ん中の席が空いているではないか。ラッキーだった。

 午後2時30分開演の舞台だから、ゆっくりと家を出ることができる。

 東京は賑わっていた。歌舞伎座も賑わっていた。

地下にはお雛様が飾ってあり、それだけでもテンションアップだ。

 第1部は「女車引(おんなくるまびき)」中村七之助の艶っぽい舞にいつも魅いせられる。

 第2部が「船弁慶」。静御前と新中納言平知盛の霊の二役をこなす中村鷹之資が注目であり、これがお目当ての人も多かったのではないかと思う。父である五世中村富十郎が大切にしていた生涯の当たり役であり、その息子が初役で挑んでいるからだ。

 それは素晴らしかった。静御前の源義経と別れなくてはならない辛い思いが溢れる舞。反して、知盛の義経への憎しみが亡霊となって見せるすごみ。終了してもいつまでも拍手がやまない。千秋楽でなかったら、もう一度観たい思いを残す舞台だった。