利尻富士

 いよいよ利尻富士にチャレンジの日がやってきた。天気は保障されている。沓形から登り鴛泊に下山するコースを選択した。3週間ほど前に、石川の山友二人が沓形コースを登っている。事前に情報をもらっているから気持ちが楽だ。

2023年7月31日 ルート図

沓形登山口までホテルの車で送ってもらった。

朝5:10スタート。このコース、今日は私が一番手らしい。登山口の入り口はこんな感じ。

 すぐに沢筋となり、しばらく沢筋を登っていく。昨日雨が降ったのか水が結構流れている。しかしルートはしっかりしているから気楽に高度を上げていける。

今日であった最初の花はヨツバヒヨドリ。

ヤマハハコ

エゾアザミ

アキノキリンソウ

 途中で沓形から登ってきた若い男性に追いつかれた。この後二人パーティも登ってくるそうだ。静かな山歩き中に、この男性と情報交換出来てよかった。

 そっか、今日は少なくとも自分含めて3パーティはここを登るんだ。テンション上がるわ。

やっと見えてきたけれど、あそこはどこになるんだろう。

シュムシュノコギリソウ

7合目手前の避難小屋で先ほど追い抜いて行った若者に追いついた。見晴らしがよく礼文島が見えた。

 ここまで昨夜の雨で木や草も濡れていて、服もずぶぬれ。靴はぐっちょ。陽が出ているのがありがたい。

ミヤマセンキュウ

オトギリソウ

8合目を過ぎたあたりから、登山道も変化が出てきて面白くなった。また礼文島が見えて・・・!

ここまで歩いてきたルートがよく分かる。

チシマギキョウ

沓形岬も。

オニシモツケ

イワギキョウ

ミソガワソウ

ヨツバシオガマ

タカネトウウチソウ

オトギリソウ

ウラジロタデ

イワギキョウの花の中

シオガマギク

サマニヨモギ

三眺山についた。ここからは眺望がいいはずだが、ガスっていて利尻富士の山頂が顔を出してくれない。

ローソク岩が。

利尻富士の南稜

三眺山からのルートを確認。ここからは難所が続くらしい。ワクワクだわ。

やせ尾根を進み、やがて尾根を少し巻くとお花畑。

イブキトラノオ

チシマフウロ

花をかき分けて進んで行く。

振り返ると三眺山。

リシリブジ

シュムシュノコギリソウ

8.5合目からは変化にとんだルートで非常に面白い。そしてやってきた親不知知子不知のザレ場。

私を追い抜いた若者がトラバースしている。

イワギキョウ

ミャマアズマギク

奇岩が目を楽しませてくれる。

シュムシュノコギリソウ

ローソク岩がよく見える。ここまでくれば、間もなく鴛泊コースと合流する。

 鴛泊コースと合流するとさすが登山者多い。すでに山頂から下山してきたインドからやってきたという登山者と立ち話をした。2週間の旅行で日本各地を回っているそうだ。日本はとてもきれいな国だと喜んでいた。

 約10分で山頂。山頂も登山者でにぎわっていた。半年間温めていたこの計画。スタートしてから3.5時間で山頂に立つことができた。石川や長野の山友に山頂の写真を送る。すぐに返事があり一緒に喜んでくれた。

利尻富士南峰とローソク岩。素晴らしい眺望。現在は南峰は立ち入り禁止となっている。

山頂から西には礼文島。

山頂からローソク岩。

 山頂から南峰に向かって少し先に行ってみた。途中まではルートが残っていたが、一つのピークを登り上げるとハイマツ漕ぎになる。それでもと思って、ハイマツを漕いでもう一つのピークまで来たがまだ続くようなのでそこで引き返すことにした。

山頂に戻る途中ローソク岩を観察。このザレたところを下ればローソク岩の基部まで行けそう。

 誰にも目につかないところに咲いていた。

ヤマハナソウ

タカネナデシコ

コケモモ

エゾツツジ

 山頂で2時間ぐらい過ごした。ハイマツの藪漕ぎもあったからね。さて下山。鴛泊コースを下るが、このように道が整備されていて下りやすい。登山者とのすれ違いも多い。

リシリトウウチソウ

シコタンハコベ

利尻富士を振り返る。

イワベンケイ

登ってきた沓形コースを確認。あの三眺山からは本当に面白かったわ。

ここは長官山。

長官山は鴛泊コースの8合目だ。ここからの利尻富士。人が全くいないので一休み。利尻富士を眺めながら、ホテルで用意してくれたカツサンドをいただいた。

ガンガン下った。乙女橋まで2時間ぐらいできてしまった。まだ時間がたくさんあるし・・・・。ならばポン山と小ポン山に登ろうか。

ポン山との分岐。ポン山まで35分とあるので登ってきてしまおう。

あっという間にポン山山頂。

ポン山からの利尻富士。右の稜線が沓形コース。手前に来ている尾根が鴛泊コースの下山してきたルート。利尻富士も見る場所によっていろんな表情を見せてくれる。

礼文島も見えている。

小ポン山を目指す。原生林の中を歩くっていう感じ。一応道はあるがあまり登山者は来ないのか。標識にも眺望はなしとあったからね。

結構アップダウンがあって小ポン山。

小ポン山の空。

 これですべて目的は果たした。結構疲れたわ。甘露泉水まで来た。冷たい水が流れていて、登山者はみんなここで休憩する。空になったペットボトルに水を入れた。ここからホテルにお迎え依頼の電話。

鴛泊コースのゴール地点。お疲れさまでした。

 半年前に体調を壊し2ヶ月病んだ。その間に読んだ記録で厳冬期の利尻富士登山。日本山岳会のメンバーであった。何回も試みて、やっと山頂に立った時に目にしたローソク岩。登頂者の感想は「意外だった。」とあった。私はそのローソク岩を見たくなった。厳冬期は無理なので、花がたくさん咲いている時季に見に行こうと、回復してから少しずつ体力を戻すトレーニングを始めた。その後山にも復帰できた。

 利尻島に渡り、登山日を2日間設定した。どちらか天気のいい日に登るつもりだった。地元の人によると、ここ2週間太陽を見たことがないとのこと。2日目に登頂することにした。

 そしてその日、素晴らしい朝が明けていよいよその時なんだと思った。利尻町と利尻富士町では天気が違うという。沓形コースは利尻町で天気が良くないことが多いという。利尻富士を挟んで東側の利尻富士町は天気がいい日が多いらしい。それだけに天気にも恵まれ、上級コースを歩けたことが嬉しかった。先にこのコースを歩いた石川の山友のことも思いながら。

 利尻島に来て3日目に目的を果たすことができた。感謝!