点名・西股(2420.2m)

 兜岩ワールド時間の2日目は、2022年10月に目指した三角点2420.2m(点名・西股)をリベンジすることにした。あの時は、兜岩から稜線伝いに激薮を漕いでいったが時間切れで大敗。

 ならば今回は兜岩を経由せずに直に登ってみるルートどりを検討した。シャクナゲの激薮をいかにクリアできるかが成否を分ける。

2025年7月20日 ルート図

 大雉沢の奥から大きく回り込み尾根に取り付いた。

 標高2100m辺りからシャクナゲが出てきた。ここはまだ花が咲き始め。薮の中に息づいているシャクナゲに元気が出る。シャクナゲの薮は大変だけれど、なんとか激薮を迂回しながら登っていく。

シャクナゲの花

 途中地形図には載っていない岩壁に阻まれる。左は切れ落ちている。大回りにはなるが、右を回り込んだ。そのような大岩壁が2つ、3つ出現。ちょっと気持ちが萎えそうになるが時間はたくさんある。大岩壁は登れないので、すべて大きく迂回していく。

 間もなく稜線に出る。標高差80m位のところまで登ってきた。稜線に出てしまうと激薮なので、2350m辺りから目標地点を目指してトラバース気味に西のほうに移動していった。藪は大したことないのでとても楽だ。

やがて目指す小さなピークが見えてきた。あのピークの中に三角点が設置されているのだ。

 山頂(?)はシャクナゲの薮だった。三角点を探すのにちょっと時間がかかったが、シャクナゲに覆われた三等三角点を発見。諦めないでよかった。

点名・西股。いつもの儀式。

記念にザックも一緒に。三角点は埋めてなく置かれたままだった。薮の中だから雪で転がることもないのだろう。

 スタートしてから3.5時間ぐらいで点名・西股を発見できた。薮を抜けて処理間に浸りながらビールを。この三角点は1回目のチャレンジでハードルが高いと感じていたが、ルートどりがうまく行き、あまり苦労なく到達できたことが嬉しい。

 たいていの人は朝日岳から稜線を下り、単なる通過点として薮の中の三角点を確認することなく通り過ぎていくかもしれない。もっともここを通る人は少ないだろう。

 時間がたくさんあるので、兜岩方面に足を延ばすことにした。稜線の東側にルートをとれば藪は少ないから。

奇岩が見えてきた。あのピークに登ってみることにした。

素晴らしい兜岩ワールドが眼前に広がった。

手前にゴーレム、奥に瑞牆山。2022年にヨバリ沢~ゴーレム~金峰山まで歩いた。

小川山(左)が大きい。中央のピークがハタクボ頭

これで兜岩ワールドはお終い。また足を運べたらいいな・・・。

 すごく満足の行く2日間だった。誰にも会うことなく、静かなそれでいてスリリングなクライミングもちょっとある岩場の山。私にとって自分と向き合える大切な空間だ。

 いつかまた・・・・ね。