「戦後80年」県民世論調査

 「戦後80年」県民世論調査の報告書が手元に届いた。35問の調査結果が集計されているが、前回の「憲法公布70年」や「戦後60年」の時の調査結果と比べてみると興味深いものがある。

 憲法3原則のうち、国民主権について「大いに尊重されている」「ある程度尊重されている」の合計は55.8%であったが、年代別にみると若い年代ほど低くなっている。18歳~30代では「尊重されていない」が40.7%となった。

 平和主義においては、全体では「尊重されている」が69%である。年代別で見ると18歳~30代が77.0%を占め、年代が高いほど割合が低い。

 基本的人権は「尊重されている」が64%であり、年代別の差がほとんどなかった。

 憲法第9条の改正の必要性について、「改正する必要がない」は47.4%で、70代、80歳以上では5割を超えている。前回の「憲法公布70年」では「改正する必要がない」が60.2%であった。

 この調査は2025年6月27日~7月28日に長野県民に対して実施し回答率49.9%。有効回答のうち18歳~30代は全体の15.1%を占めている。これからの時代を担っていく若者たちが、いま社会がどの方向を向いているかをしっかりと認識して、自分が歩むべき道を自覚して行ってほしい。そのきっかけになった世論調査への回答だったら嬉しいと思う。

奥能登被災地視察

 北陸3県(福井県、石川県、富山県)・長野県経営者協会での役員協議会が開催された。今年は石川県が当番で、能登半島の被災地の復興状態を視察した。

2025年7月11日 ルート図

金沢駅からバスで「のと里山海道」を走行して輪島市まで。輪島市の被災地や仮設建物を見て回った。

のと里山海道 を走っていると、何事もなかったような風景が続く。

輪島市に入った途端、まだそのままになっている倒壊した家や倒壊しかけた家が出てきた。

ここからが朝市通り。地震が来る半年前に、ここに来ている。あまりの様変わりに胸が痛んで・・・。

重機の奥には造り酒屋の倒壊した姿。

賑わった朝市通りも、今はここから先は立ち入り禁止。

復興は遠い先。

仮設住宅

廃墟になっているのか・・?

昔はここまで鉄道が来ていて「輪島駅」となっている。

かつての輪島朝市がここにあった。

のと里山海道もまだ復旧中。

 実際に来たことがある場所だけに、地震による被害を目の当たりにして衝撃を受けた。こうした状況の中で生活をしている人たちのことに思いを寄せながら、何ができるか・・・。このままで終わってはいけない。ふと自分の生きる方向性に何かがはじけた気がする。

 石川県経営者協会の役員から「今日の視察でどう思われましたか?」と聞かれ、とっさに言葉が出なかったのはなぜだろう。

金沢市の夜は平和だ。

世界との関わり

 今年も櫻井よしこさんの話を聞いた。櫻井さんの話は、日常生活においてあまり意識しない部分を刺激してもらえる。いかに毎日の生活に追われてしまっているか・・・ということ。それだけに1年に1度のこの機会は大切だ。

 台湾有事は日本有事といわれているが、台湾の次はフィリピンで、それだけに第一列島線を中国に取られないように話し合いが進んでいる。大混乱の中に日本があるからこそ、日本が中心となって世界のリーダーシップをとることが必要だが・・・、現状では難しい。

 日本製鐵のUSスチール買収については、日本から鉄鋼業の幹がなくなってしまった。その原因は、3名の国会議員である、と実名を出してはっきり言っていた。その時の流行に乗ってしまう政治家はだめ。歴史観、国家観がない人間は政治家ではない。

 日本を立て直す時である日本国に何が足りないか。歴史の書き換えが行われている。

 そのほかイスラエル・イラン問題から核のこと、日本には見えないところで中国にコントロールされていることなど、日本人として目覚めなくてはならない内容だった。

 この講演会には常連がいて、その人たちと今回の講演内容を振り返りながらディスカッションするのが楽しみ。

ビジネスリーダー育成を目指すワークショップ

 毎年開催されている「ビジネスリーダー育成をめざすワークショップ」が4月からスタートしている。第1幕から第6幕まであり、第3幕の「世界とのかかわり」に関して、聴講をさせてもらっている。

 「世界とのかかわり」のマネジメントスキルの部では、事前に与えられたテーマについて準備した参加者が全員の前でプレゼンを行い、指導講師からアドバイスを受けたり、参加者たちとの質疑応答を行って、さらに自分の想いを高めると共に、心構えや戦略作成の要諦をつかんでいくことを目的としている。

 今回は19名の参加者であった。

 1 どんな会社、どんな職場にしたいか

 2 会社の強みと弱み

 3 自分の強みと弱み

 4 その現実にどう取り組んでいくか

 以上のテーマについて、各人からのプレゼンは素晴らしかったし、お互いにたくさんの学びがあったようだ。

 参加者の会社のことはよく知っているので、それだけに私自身も見直すことが多かった。

アルピコHD社外取締役

 アルピコHDが上場されて初の株主総会。社外取締役に就任した。今まで上場株式を保有していても株主総会には出席の経験がなく、報道でしか見たことがなかった。どういう運びなんだろうかと興味深い。

 アルピコHDはさすが地域に根差した企業で、株主も地元の個人株主が多く出席者は約200名。株主質問も多かったが、アルピコHDを心から応援している気持ちが底にある内容だった。議長や担当役員からの回答も素晴らしく、株主からは「真摯に回答してくれて感謝」という言葉も出ていた。

 1年後の株主総会では役員席に座る。緊張感もあるがワクワク感も十分。

 「アルピコという企業名のもととなったALPINE(アルプス)は、長野県の自然の中心となっている。日本本土の中心でもあり、海外にも知られている。その名のようにアルピコもそうした企業になっていくよう微力ながら関わっていきたい。」とご挨拶させてもらった。

長野優良法人会総会・記念講演会

 長野優良法人会の総会と記念講演会が開催された。優良法人の顧問税理士と来賓含め50余名が出席し、いつもにはない賑やかな総会と記念講演会、そして引き続いての懇親会であった。

 記念講演会では「地方での企業経営、人手不足と向き合う。パートアルバイトさんは戦力になるのか?」という演題で、株式会社スマイル・ラボの代表取締役赤沼留美子氏からのご講演をいただいた。

 経営者の悩みランニングには

 1 カネ・資金繰り 2 ヒト・人材後継 3 市場・受注顧客  

があり、このヒト・人材後継について、働き手確保のチャンスをどこに見出すか。具体的にどうしたらいいかという内容で、非常に刺激があり、また気が付かなかった観点からの話でとても勉強になった。

 働きたいのに困っている人は誰か?『求人=救人』であることから、働きたい人達の困りごとを求人原稿に載せること!結果、いい人材が集まってくるノウハウの話であった。

 赤沼社長の目指すことは、シングルマザー家族が食べていけるようになる社会。少し工夫は必要だが、パートさんは戦力になるということでした。

長野県世論調査協会

 2週間ほど休暇を取って仕事に復帰した。これからが総会シーズンでいろんなことが予定されているが、まずG社会福祉法人の理事会に出席。その日は引き続いて長野県世論調査協会の企画委員会に出席した。

 今年度から副委員長に就任し、協会として行う調査内容について検討していくようになる。以前からこの協会で行った世論調査には興味を持っており、過去調査内容などを見せてもらっている。

 2025年中に行う独自調査の内容の検討と世論調査テーマの検討をした。

 県民の多くは自分の生活範囲が限られている。そのような中で、世論調査に参加したり、その結果を知ることにより、生活範囲が面となって広がっていくようになる。また県政も何を目指すべきかの参考になると思う。

 2時間の会議は、各委員からいろいろな意見が出され非常に充実したものであった。私自身も新しい世界に一歩踏み出した感じ。

考古資料で読み解く信州の原始社会

 「考古資料で読み解く信州の原始社会」という演題で、長野県立歴史館学芸員の水沢教子氏の講演を聴講した。収集考古資料からの信州先史時代として、(1)旧石器時代 (2)縄文時代 (3)弥生時代の特徴の話も面白かったが、土器のことは大変興味深かった。

 通常、文化は南から北に伝わっていくが土器に関しては北から南に伝わったそうだ。土器に施される「直接的文様」や「間接的文様」も改めて特徴がよく分かった。

 火焔型土器に非常に興味があり、新潟まで火焔型土器を見に行っているが、火焔型土器は長野県に入ってこなかったそうだ。新潟独特のもので、それも祭祀のために作られたとのこと。1~2度はその土器で煮炊きをしたらしいが、それは神に対する捧げもののためだったと推測されるらしい。

 また十日町に火焔型土器を見に行こう。

 久しぶりに中身の濃いお話を聞くことができてよかった。

浅川葡萄農園の宗さん

 浅川葡萄農園の経営者である宗裕光氏の講演を聴く機会があった。昨年の秋に農園と長野市の支援金を活用した地区200年の土蔵を回収した醸造所の見学をしている。その時以来の宗さんとの出会いだが、改めて宗さんのワインに対する思いを聴くことができて嬉しかった。

 「ワインは食事をおいしく変える富士着な飲み物」であるという。宗さんのワインとの出会い、人生の転機等もの話は初めて聞いた。

 2024年9月に醸造所を開業。そこでの初の果汁の1滴に体が震えたそうだ。

 また浅川という中山間地で2018年10月から開墾をスタートさせ現在に至っているが、これまでの間に中山間地の課題が見えてきて、その課題解決につながるワインづくりを続けている宗さんは、とても輝いていた。

 宗さんが育てたブドウで造った品質の高いワインで、地域を盛り上げるという奇跡が起きている。そうした宗さんの想いと働きに、応援サポーターとしてかかわっていきたいと思っている。

土地収用法第65条第1項第3号

 長野県収用委員に就任して何年か経過した。今2期目である。

 ある事業(砂防堰堤工事)について、権利取得裁決申請及び明渡裁決申立がされた。今回は、その裁決申請等の審理又は調査に関する事務を指名委員として受託した。

 初めて現地調査に参加した。砂防堰堤建設のための土地収用であり、すでにできている作業用道路を利用して、対象土地近くまで移動。土地所有者のうち1名が参加し、一緒に現地での説明を受けた。

 事業目的、箇所概要、対象土地と立木の確認等も含め丁寧な説明があり、それに対しての質問もさせてもらった。

 いつも山奥まで入り込むが、その時に目にする砂防堰堤は無残なものもあった。しかし研究開発がなされ、現在建設されている砂防堰堤は格子に組まれたものだそうだ。

作業道を車で進んで終点まで。ここで事業目的等の概要の説明があった。

右側の谷の奥に砂防堰堤が2基建設される予定。

細い踏み跡をたどりながら登っていく。

谷に人が立っている場所が第1堰堤の中心点となるところ。

対象となる土地と立木。黄色いテープが巻かれている木が対象。スギとカラマツで、広葉樹は対象外だそうだ。

この奥に砂防堰堤ができる。第1砂防堰堤と民家との距離は直線距離で150mとのこと。第1砂防堰堤は谷の口が一番狭まったところに建設するものらしい。

 土砂災害警戒区域に生活する住民のためにも早い実現が望ましい。

 現地調査が終了し、場所を移して審理がスタートした。人定尋問、陳述及び質問を経て審理は終了。いくつか疑問点を質問した。結構起業者とのやり取りがあり、大変勉強にもなり、またその事業においての納得感も得ることができた。

 後日、収用委員会での裁決会議で終了となる。