新しい時代の働き方と労働法改革の方向性

 東京大学社会学科科学研究所の水町教授から「新しい時代の働き方と労働法改革の方向性」という演題での講義を受けた。労働法改革の背景から始まり近時の労働法改革の動きに関する内容である。

 「2024年問題」もあと数日でスタートする。関係する3業種は、事務所のクライアントでもある。どのように対応していけばいいかの内容もあり、大変具体的で勉強になった。

 自動車運転業務に関して、長野市内においては、タクシーの早朝予約は受け付けない、日曜日のバス全面運休という事態になっている。一般生活に支障きたす状態だ。水町氏は賃金を上げないと人出不測のままでこの状態が続くだろうという。

 企業は、安い非正規社員に頼り、賃金が上がりづらい構造になってしまっているのが問題だと指摘していた。結果、外国人労働者にとっても日本で働く魅力が低下しているそうだ。

 雇用保険改正法の内容の中で、個人に対する教育訓練やリ・スキリングによる支援が充実した。まさに「人への投資」の強化だ。企業側はうかうかしていられない、というのが個人的感想。

 最後の「これからの企業経営において大切になる視点」は、真剣になって取り組んでいかないと企業は淘汰されるという危機感が募った。

 あっという間の充実した研修であった。

「中部経済連合会なでしこの会」と「長野県経営者協会女性委員会」との懇談会

 中経連「中部の魅力を語るなでしこの会」との初の懇談会が開催された。私にとっては、昨年度の「中部のイイトコ再発見 女性リーダーが語る魅力」のセッションにWebで参加したことが「なでしこの会」との出会いであった。 

 それから1年後に懇談会が実現できたことに感慨深い。

 経協女性委員会の活動報告、なでしこの会の活動報告を行った後に自由な意見交換がなされた。「働きやすさ」に関して、「なでしこの会」から出された次の3点に話題が集中した。

  ① 制度について

  ② 環境とマインド

  ③ 管理職

 まず①制度については、制度があるのに使いづらい。こうやったら制度を使いやすくなったという事例もあり、私がかかわっている「長野県少子化・人口減少対策戦略方針(案)」に織り込まれている制度の利用は机上の空論感がさらに増してしまった。男性育休取得率が90%近い企業のケースとして、配偶者の妊娠が分かった時点で、上司に報告。出産までの時間をかけて育休を取る調整を図っていく。『育チャレ』という名称でやっている。いい勉強。

 ②の環境とマインドについて、女性管理職第1号の立場になると「失敗できない」という気持ちが先立ち引き受け手がない。しかし「いやいやどんどん失敗してもらいたい。後に続くことが大切」というマインドを育てることが大切。

 ③の管理職になりたくない人が男女問わず増えているという課題。これは責任を取りたくないという気持ち以上に、現在の忙しい上司の姿を見ている。つまりこんなに忙しい上司のようにはなりたくない、という気持ちがあり、長時間の働きを評価する会社にはいたくない。実力を認められる会社で働きたいと考えている若者が多い。上司のマネジメント力が必要で、上司が一緒に責任を取るという寄り添いがあって、管理職になる決心に近づいていく。

 非常に刺激的であった。

電力中央研究所

 電力中央研究所の視察に行く機会をもらった。確定申告が終了したので、安心して視察に出かけることができた。

 電力中央研究所(電中研)は、電気事業の運営に必要な電力技術等に関する研究を行い技術水準の向上や電気事業の効率化に寄与するための研究機関である。アセスメントの役割を担っている。これらの研究成果が、ガイドラインにもなるとのことであった。

大きく5か所の実験棟を見せてもらった。

1 乱流輸送モデリング風洞

 大気中の気温分布・気流分布・気流乱れを精密に再現できる風洞で、火力発電所や原子力発電所の気流解析や拡散解析等を行っている。

2 南第8実験棟での「共振振動台」

 原子力発電所の重要機器や建屋を対象とする高加速度振動に対する耐震安全性の評価を行っている。

共振振動台の実物で説明を受けたが、巨大な装置だった。

3 「ヘリカルX線CTスキャナー」

 活断層関連研究設備である。強制振動を起こさせ、断層・浸透・ガス透気試験で、物質内部の破壊現象や流体挙動に伴う変化を、CTスキャナー通して見極めている。

 その場で実験をしてくれて、CT画像で断層変異を与えた岩盤内の亀裂を見せてもらった。

4 「津波・氾濫流水路」

 原子力規制委員会のもとで、新しい規制基準の適合性審査が行われている。そのための陸上氾濫した津波現象を再現するために導入している水路。津波に対する電力施設や設備の健全性・頑強性の実証試験に活用している。

ここでは津波を再現してくれた。大きな丸太を津波漂流物として衝突させ、衝突力の推定なども見せてくれた。

5 「空気力載荷試験装置」

 雪が着いた送電線で強風下で発生するギャロッピングと呼ばれる大きな振幅でゆっくり振動する現象を再現することができ、ギャロッピングを抑制する対策法の効果を検証するとのこと。

ギャロッピングの説明中。

 鉄塔部材に降雨による水みちができた状況下で発生するレインバイブレーションと呼ばれる現象実験も見せてもらった。

 電中研の我孫子地区は事前・環境科学研究の拠点となっている。電力施設の自然災害軽減技術やメンテナンス技術。放射性廃棄物処分技術、地球温暖化問題への対応その他サステナブル研究所として取り組んでいることがよくわかり、実際に触れることができ、さらに自分の知識の深まりがあった。

確定申告

 個人の確定申告期限は今日の3月15日。何とかすべて終了することができた。みんな毎晩遅くまで頑張ってくれた。それぞれが責任を持ち、お互いに気を配りながら支えあって申告を進めてくれた。

 忙しいときこそ、その人の人間性が表れるものだ。誰一人として愚痴を言わずに、そしていつも明るく、納税者のために事務所のために働いてくれた。感謝である。また納税者の方々からも温かい言葉をいただいて、みんなも励みになったと思う。

 この時期の仕事は、いつもより条文を調べることが多い。担当者は責任をもって条文で確認しながら仕事を仕上げてくれた。忙しいだけでなく勉強にもなるときである。仕事に追われてしまうと、取り扱いを調べるのも億劫になり、多分こうだろうという思い込みで進める職員はいなかった。丁寧に仕事をすることが大切だ。

 皆さんお疲れ様。週末2日間をゆっくりと休んで、来週からまたお願いします。忙しい時が5月一杯続くのでね。

一般倫理研修

 突然(?)行政書士会からのハガキが届いた。そこには「一般倫理研修が未受講の会員各位」とあり、一般倫理研修の受講が義務化され、令和6年3月31日までに受講しテストを受けないと本会の処分対象となる旨が記載されていた。

 税理士は年間研修時間が36時間以上と定められており、これは努力義務となっている。36時間の研修に達しなくても、今のところは罰則規定はないが、税理士会の規則の遵守義務違反にはなるだろう。今のところ自分の研修時間は83.5時間で231%になっている。あと8時間は追加される予定だ。

 それよりも行政書士会の研修を、3月15日が過ぎたら取り掛からなくては・・・。本会の処分対象になったら大変だものね。

雑所得

 確定申告期には、いつもより多くの条文を開くようになる。雑所得の取り扱いで確認する事項があり、所得税コンメンタールを開いた。いろいろ読み進めていくうちに、次のような解説が出てきた。

 雑所得が赤字の場合、他の所得と損益通算ができないこととなったきっかけが書かれているが、昭和43年から政治献金による収入は申告の必要があるとされていたことを初めて知った。

 無料納税相談会場でも、納税者からの苦情が多いらしい。事務所のクライアントは、今回の事件に関連して申告拒否ということはないけれどね。

 確定申告期限まであと15日。毎晩みんな頑張っていてくれる。有難う。

茨城からの春の便り

 確定申告期もあと約2週間となった。職員はみんな遅くまで仕事を続けていてくれる。それにしてもこの時季の雪はつらい。ただでさえ残業が続いているのにも関わらず、早くから出勤してきて雪かきをしてくれる。業者に除雪をお願いしているが、ある程度の積雪がないとやってもらえない。今朝の雪は重かった、と思う。私が事務所に到着したときは、もう終了していた。みんな有難う。

 このような忙しい日々を過ごしていて、雪が毎日降っていると何か大切なものを落としてしまったような気もする。

 そんな時に茨城の龍ヶ崎支部のS先生から「ひなあられ」とい「干し芋」が送られてきた。「ひなあられ」を手にして、もうすぐひな祭りということを思い出す。S先生のところのしだれ梅はもう花が散ったそう。以前にいただいた写真で、青空のもとに濃いピンクのしだれ梅の姿を思い出す。

 S先生とは長いお付き合いだ。本会で一緒に役員をやって以来仲良くさせてもらっているが、S先生は常に私の先を行っている先生で心から尊敬している。

 そして毎年、この時季にS先生から送られてきた「ひなあられ」で私は自分の中の季節を取り戻している。茨城名産の「干し芋」もとてもおいしい。長野では、このような干し芋は手に入らないわ。

 早速みんなで至福のお茶の時間。ちょっと一息をついて、みんなまた頑張り続けていてくれる。

 S先生から今年も春の便りをいただき、いろんなことに思いをはせながら3月15日を目指して頑張っていけるわ。

長野市やまざとビジネス支援補助金審査会

 令和6年度長野市やまざとビジネス支援補助金審査会が非公開で開催された。今回の1次審査を通過した応募事業者は3件。2次審査ではプレゼンテーションを行ってもらう。

審査項目と審査基準として

1 中山間地の活性化につながる効果があるか

2 事業の実現・発展・継続性があるか

が中心となる。

 長野市のこの事業も、鷲沢市長時代にスタートしている。当時から中山間地の活性化を目指し、計画され、息の長い事業である。当初から審査員として加わっているが、最近は各応募者の事業内容も充実し素晴らしいプレゼンが繰り広げられる。

 今回の応募事業者の事業計画を聞いて感じたのは、中山間地で抱える課題解決を意識した取り組みになっていることだ。ただ残念なことに、雇用創出については少々乏しいかもしれない。事業が順調に進んでいくと、将来的に雇用が多くなることはあるだろう。また、自分が事業を行う地域への移住者も増える仕組みまで考えている応募事業者もいた。

応募事業者は下記の通り。

・ 「浅川産ワイン・シードル製造販売のために土蔵を活用した醸造所建設」事業

・ 「長野市中山間地域の世界基準の”NAGANOWINE”ブランド化」事業

・ 「日本発!長野の食を彩る”おやき”や”蕎麦”とのペアリングドリンクのシロップ製造」事業

3者とも篤い思いが伝わってきた。

令和6年分所得税の定額減税

 令和6年分の所得税の定額減税について、その方法が国税庁から公表された。リーフレットになってHPに掲載されているが、給与計算担当者は大変だと思う。個人事業者は、令和6年分の確定申告の際に減税を行うようになるので、ならば給与所得者も年末調整で一気に行ったほうが、事務負担はかなり違うだろう。

 6月からの源泉徴収事務で行う場合には、扶養控除等申告書とは別に「源泉徴収にかかる定額減税のための申告書」を提出してもらう必要がある。また減税額の管理のために、給与支払者は「各人別控除実績」を使用する。

 2024年2月10日の日経新聞にIMF対日経済審査に内容が載っていた。大きな見出しは「所得税減税の効果疑問視」である。岸田首相が打ち出した所得税減税は債務状況を悪化させると指摘。財政政策に関し、歳出抑制など引き締め策に軸足を移すべきとしている。

 1人4万円(住民税含む)の減税は嬉しいかもしれないが、やっぱり経済的にどのような効果が表れるのか疑問だ。そこへもってきてその減税のための手間や時間が企業側の負担となる。この企業が湾の負担も、給与計算ソフトが減税のためにうまく連動したシステムにバージョンアップすれば、少しは違ってくるかもね。

信州日経懇話会・第6回例会

 信州日経懇話会の例会があった。今回は、日経新聞社・編集委員の安藤淳氏が講師で「進む温暖化、気候リスクを回避するには」の演題での講演。2023年の記録的高温とその原因を導入に、パリ協定やCOP28合意の内容、日本の目標と取組等についての内容であった。

 2023年の平均気温が過去最高になったことについて、CO2の排出が原因になっているということ。しかし気候変動(異常気象)がCO2に関連しているかどうかは研究中とのことであった。

 講演の中で説明があったが、プラネタリーバウンダリーというものがあることを知った。地球の環境に変化が加わってももとの状態に戻り、地球環境が安定した状態を保てる「地球の限界」の範囲を示したものだそうで、9項目に分かれている。そして現在9項目中6項目で引き返せない状態になっているそうだ。

①気候変動、②新規化学物質、③成層圏オゾン層の破壊、④大気エアロゾルによる負荷、⑤海洋の酸性化、⑥生物地球科学的循環、⑦淡水利用、⑧土地利用変化、⑨生物圏の一体性 であり、限界を超えているのは①、⑤、⑥、⑦、⑧、⑨だ。(下図参照)

出典 mage via Stockholm Resilience Center, Stockholm University

 日本の目標と取組も興味深かったが、二酸化炭素回収・貯蓄(CCS)の実証実験をやっているところもあり、機会があれば足を運んでみたいと思った。

 最後に温暖化対策で視界が日本を見る目ついての話。

企業に対しては

①優れた生産技術と人材がある

②資金力がある

③高品質な製品を提供

④信頼できる国際パートナー

など高評価で、あまりリスクを取らないがかけている。

政府に対しては

①有力な資金源 は評価できるが

②政府の方向性が間違っている

③政策がぶれる

④透明性に欠ける

⑤スピード不足

⑥科学を重視しない 

 という評価。世界が日本をどう見ているかを再確認しながら軌道修正が必要だ。非常に高度な内容の講演を久しぶりに聞いて刺激をもらい、考えることが多かった。