橋爪長三先生のこと

 20年ぐらい前に橋爪長三先生にお会いする機会があった。先生の側からすると、私は大勢の中の一人だったからまったく記憶にないのは当然だ。
 橋爪長三先生はクリスチャンドクターとしてハンセン病療養所で長い間働かれ、その後長野県身体障害者リハビリテーションセンターへ、定年退職後には小布施の新生病院で医療に携わった。またバングラディッシュでの医療協力もなさった整形外科医である。
 私が橋爪先生とお話しすることができたのは、新生病院時代であった。
 それから約20年。ここで再開できるとは思ってみなかった。あることで橋爪先生のお宅を訪問したが、通された部屋の入ったとたんに感じた祈りのある「おうち」。橋爪先生の信仰に満ちた今までの人生に触れることができる喜びが一気に広がった。
 橋爪先生は出版された自叙伝をプレゼントしてくれた。
 今までの橋爪先生の人生を先生から直接お伺いし、いただいたご本「私の歩いた道・信仰と生活、そして職業の中から」を拝読して、先生のクリスチャンとしてドクターとしての人生がいかに光り輝くものであったかを改めて教えていただいた。
 先生は高齢ではあるがまだ現役のドクターである。矍鑠としてらっしゃる。信仰を持ちながら、自分の人生を医療に捧げた先生の人生の軌跡はこれからもまだまだ続いていく。