里山整備利用地域の取り組み

 みんなで支える森林づくり県民会議で現地視察が行われた。
 「長野県森林づくり県民税(森林税)」を活用した様々な取り組みが行われているが、その一つに里山整備利用地域活動推進事業がある。現在91地域が認定されており、その一地域である明科清水里山整備利用地域(令和元年10月23日認定)を視察した。
 清水里山整備協議会会長の丸山健太氏に活動内容の説明をいただいた。
 清水地区は約80%を森林が占め、広葉樹や針葉樹のほか、集落周辺には竹林が存在している。赤松は枯損木が多い状態である。今回の森林税による取り組みは県宝「光久寺」や周辺の竹林整備、集落周辺の森林整備(搬出間伐等)を行い、伐採した竹は竹炭に、コナラ、クヌギなどは、シイタケの原木や薪として利用している。
 準限界集落になっている清水地区は、9世帯の22人が生活している。この地域に引っ越ししてきた丸山氏は若い人6人で今からできるアイデアを話し合った。その中に森林整備が出てきたそうだ。NPO法人等からの支援もあり、竹林の整備等には清水地区の人口以上の協力者が集まるようになった。作業道を作り竹林を整備し、多くの人たちが集まって交流が生まれている。
 このような話を聞きながら、現地を自分の目で見、その場の風を肌で感じ、森林税を利用した里山整備は多くのものを生み出していることに感動。整備するだけではない、それ以上の人間としての結びつきも生み出したこの地域の活動を知って、考えもしなかった森林税の効用を認識した時間であった。

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