権兵衛峠

 その日がやってきた。
 尊敬する南川金一氏と初めて顔合わせをして初登山をした日。夢のような時間だった。南川氏の信奉者で、特に南川氏の著書である「山頂渉猟」や「続・山頂渉猟」をバイブルにしている多くの山好きの人間の中で、こうして南川氏と話をしながら山を登った人はほとんどいないと思う。

 南川氏が私のために選んでくれた山は北沢山。権兵衛峠を歩いたことがないことを知って選んでくれた。
 権兵衛峠までは途中通行止めになっているため、約1時間かけて歩く。そこからNTTのアンテナまでは急登。登り切った1806.6mからの眺望は素晴らしかった。
 以前に南川氏は北沢山まで歩いたことがあるという。よく周知していて、1860m近くの見晴らしのいい露岩まで案内してくれた。
 笹藪の中をひょいひょいと登って行く。そんな南川氏の姿を見て、10年も20年も前からご一緒出来ていたら、自分の山人生はまた変わっていただろうと思った。

 南川氏に託された山がある。できるだけ早く実現して南川氏に報告できるといい。
 でもね、『託された』という思いを抱いての下山はちょっと寂しかった。

 

2019年2月17日 ルート図

 

権兵衛峠を目指して登っていると見えてきました!樽ヶ沢山。登った時のことを思い出す。

 

まだ未踏の洞ヶ沢山。

 

登った山を南川氏と一緒に眺めることのできる幸福感。次は洞ヶ沢山か・・・。

 

苦労なく権兵衛峠に到着した。

 

ここからは道なきところを行く。

 

NTTのアンテナを目指して急登りを詰めると、ちょっとした平地に。ここからの眺めは最高でした。

 

ここから笹薮に突入。

 

笹薮をかき分けて登っていく。南川氏の身の軽さ!

 

南川氏に案内してもらった1860メートル付近の露岩からの眺望。

 

木曽御岳山も。

 

乗鞍岳も。

 

見飽きない中央アルプス。

 

茶臼岳から大棚入山、樽ヶ沢山が一望。

 

南川氏は山やその地域の知識が豊富で、たくさん説明をしてくださった。一つ一つ山や地元の歴史などを聞きながらの山登りは本当に楽しかった。

 

1860m地点の空。いつもこの空のように澄んだ心でいられるといい・・・。

 

輝いている南川氏。

 

1806.6mの広場に戻ってきた。

 

権兵衛峠からは南アルプスも見えた。

 

権兵衛峠から旧道を下る。萱ヶ平部落の最奥の家。今は廃屋になっている。