楡沢山

 南川氏が『山の本2019春』に書いている楡沢山に登ってみようと思った。中央分水嶺上にある山でもちろん登山道はない。
 この時季なら初冬のゆったりとした山歩きができるだろう・・と思い、計画したルートは、母沢山(1497.5m)~岩尾沢ノ頭(1782.5m)~楡沢山(1754m)~瀬戸沢山(1725.2m)~尻平沢山(1374.9m)と結構長いコース。

 国道19号線の「道の駅・木曽ならかわ」に車を止めた。
 スタートはモチ沢の左岸の尾根のとりつきだ。いきなり急斜面を登るが、尾根に乗っかたら気持ちのいい登りが続き、スタートして約1時間で最初の目的である母沢山に到着した。藪のない気持ちのいい空間に三角点はあった。
 先に進む。間もなく笹藪が現れ、いよいよか・・と思う。背の低い笹藪だったり、背丈以上ある笹だったりではあるが、岩尾沢ノ頭の三角点を見つけた時にはうれしかった。眺望はない。
 ここから尾根を忠実に北へ向かうが、このあたりが非常に分かりづらい。二重稜線を下るようになるわけで、楡沢山に続く尾根を外したことに気が付き軌道修正。GPSで確認しながら尾根に戻ることができた。ふ~。
 楡沢山も笹と白樺に囲まれ眺望なし。空を見上げれば白樺と青空が輝いている。初冬の自然。ここで至福のビールタイムとした。
 本日の目標はこれで半分。まだまだ先がある。
 13時前に再スタート。次に目指すは瀬戸沢山。ここからは割と楽だった。というのは、道形がうっすらとできていて歩きやすいのだ。
 順調に瀬戸沢山に到着した。三角点を確認してさらに北へ進む。稜線の下には坊主林道が走っており、林道まで標高差200メートルぐらいのところから林道へ駆け下りた。なんて歩きやすいんだろう。しばらく林道を北に歩き尻平沢山が座する尾根にとりつく。尻平沢右岸の尾根だ。
 多少藪がうるさいところもあったが尻平沢山の三角点を確認した。後は下るだけだ。途中ガレた岩山に出くわした。岩山に登ってみる。はるか下に流れている尻平沢の水音が聞こえる。間もなく国道に出るだろう。
 初冬の分水嶺歩きは非常に楽しかった。

 

2019年11月10日 ルート図

 

モチ沢左岸のとりつき地点

 

尾根に乗ってしまうと気持ちのいい登りが続く。

 

母沢山の三角点

 

いつもの儀式

 

紅葉した唐松と青空。

 

笹藪と格闘しながら岩尾沢ノ頭に到着。

 

いつもの儀式

 

途中尾根を迷いながら、楡沢山に立つことができた。ここは三角点はない。

 

楡沢山の青空。

 

木々の向こうに仏谷、経ヶ岳、黒沢山が見える。坊主岳と天照山は陰になって見えなかった。

 

楡沢山から瀬戸沢山までの稜線は道形ができていて歩きやすい。

 

瀬戸沢山の三角点を発見。

 

いつもの儀式

 

坊主林道から尻平沢山へ続く尾根に取り付き、途中見えた乗鞍岳。

 

鉢盛山と烏帽子岳

 

遠くに槍ヶ岳と穂高連峰。

 

尻平沢山の三角点。

 

いつもの儀式でおしまい。