天狗岩

 ちょっと気になっていた松本市にある黒沢山は2000mを越す山で登山道はない。どう登ろうか考えたが、金松寺山から西に座する天狗岩を経由して北上する尾根を行くことにした。天狗岩までは登山道がある。
 駐車場所から林道終点までは雪がなく快適。登山道に入ると途端に雪が出だした。途中まではツボ足で行けたが、スノーシューをつけなければ進めなくなった。天気だって晴れのはずだったかが、曇っているうえにガスっていて見通しがよくない。予定時間はかなり遅れている。金松寺山は帰りによることにして直に天狗岩鞍部に登り上げた。スノーシューがなかったら諦めざるを得ないほどのフカフカ雪である。
 鞍部では素晴らしい光景に出会う。
 霧氷がたくさん木々についていて、見とれているうちにさ~と青空が出現したのだ。幻想的な世界と霧氷のさらさら落ちる音が和んでいく。
 ここまでで3時間以上を要した。今日は黒沢山までは無理だろう。ならばしばしこの霧氷の落ちる音を楽しもう。日常生活では聞くことのできない囁き。久しぶりだね。
 鞍部からは急登で、スノーシュー使いはクタクタだった。天狗岩山頂直下では、黒沢山の姿が見えだした。そしてさらに登って行くと黒沢山の左肩からは真っ白な常念岳が。ここまでくれば天狗岩の山頂はすぐそこだ。天気はすっかり良くなり、青空も気持ちがいい。
 スタートから約5時間かかって天狗岩に到着した。やはりラッセルで時間がかかってしまった。今日はここまで。この季節に天狗岩まで来る人はほとんどいないだろう。それにしても今日の核心はラッセルだった。
 静かな時間を過ごし、金松寺山経由で下山した。

 

2020年3月1日 ルート図

 

雪の中を登っていく。

 

金松寺山と天狗岩の鞍部に出たら霧氷が待っていた。

 

鞍部から天狗岩を目指してこの尾根を登っていく。

 

突然ガスが切れて青空が見えだした。

 

木についた霧氷の落ちる音が心地よい。

 

やがて黒沢山が見えてきた。

 

黒沢山の左に大滝山。

 

黒沢山の右に鍋冠山。

 

黒沢山の左肩に常念岳。

 

素晴らしい山の姿。

 

穂高岳も見えた。

 

天狗岩山頂でいつもの儀式。

 

天狗岩からは、これから通る金松寺山が見える。

 

金松寺山でいつもの儀式。