2年ほど前までは、この季節は西上州の山に通っていた。西上州の山はほとんど登りつくし、今は川上村から秩父の山方面に通い詰めている。
きっかけは、尊敬する南川金一氏の「山頂渉猟」に載っていた長峰。地味ではあるがなぜか惹かれて山頂に立った。その際に2020mピークまで足を延ばした。2020年に記念すべき山行だったと思う。これがきっかけとなって毎週のように通い詰めている。
南川氏の著書「続・山頂渉猟」にも載っているこの方面の山は、群馬県や埼玉県の県境尾根の山だ。ならばこの県境尾根を歩いてみようと思い立った。十文字峠から北方面はまだ歩いていない。三国山までは登山道があるが、登山道があるならば歩く時季は今だ。積雪期に歩かないと面白くない。じゃあ~行ってみるか!
誰もいない毛木平を7:00過ぎに出発する。10センチほどの積雪があるがツボ足で大丈夫だろう。念のためにアイゼンはザックの中に。夏道のマーキングを頼りにガンガン登って行く。だんだん雪が深くなって足が疲れる。2.5時間ぐらいかかって十文字峠に到着した。せっかくだから十文字小屋にご挨拶。もちろん無人である。青空が広がる下で小休止。さあ~ここからどこまで行けるか。時間を見て途中から毛木平目指して適当に尾根を下る予定だ。
十文字山からはどんどん下っていく。雪が深くナイフリッジは慎重に。急斜面もあり、久々の緊張を強いられるところもあった。
やがて立派な岩稜が見えてきた。あれは弁慶岩か?1840mピークにちょっとした岩稜があり、その上に登り上げると両神山と赤岩尾根の素晴らしい姿を見せてくれた。少し近づいてきた弁慶岩も。
弁慶岩は非常に大きくそびえていた。雪がなければ登りたいという欲が出てくる。残念、またの機会に。そろそろ下山する時間が迫ってきた。1853m標高点にあるのは梓白岩。その手前の鞍部から毛木平を目指して下ることにした。ここから先は次回だ。
歩いてきた十文字山からの稜線を見ながらのビールタイムは、青空の下で贅沢に過ごすことができた。
良かった、よかった。