未成年後見終了

 長い間担当してきた未成年後見人事務が終了した。未成年だったKちゃんは、早いうちに両親を亡くし祖父に引き取られた。同時に祖父が未成年後見人が選任され、私は未成年後見監督人に就任した。いろんな事情があって、私は未成年後見監督人から未成年後見人に移行した。それから何年が経過しただろう。民法改正もあって、18歳になったKちゃんの後見事務がここで終了したのだ。KちゃんではなくKさんは高校3年生。来春の進学も決まっていて、自分の人生をしっかりと歩んでいる。

 未成年後見事務の終了に伴い、預かっていたすべての財産をKさんに引き渡した。金融機関で預金の名義変更の手続きがあるので、必要書類も一緒に渡した。その中にKさんの戸籍謄本もある。多分今まで見たことなかっただろう自分の戸籍。Kさんに戸籍の内容を説明した。初めて聞くこともあったかもしれない。Kさんの心情はどうだったか・・・。ここまで一緒に生活をしてくれた祖父にとても感謝していた。

 祖父のNさんは言う。「やっとここまで来た。しかし自分の年齢からいって、あとどのくらいこの子と一緒に生活できるか・・・。」Nさんも複雑な心境だったかもしれない。

 ここで手続き上はKさんともNさんとも関係が終了したが、法律に関係なくいつまでも見守って行きたいと思っている。Kさんの未成年後見人の審判を出したH裁判官には、手紙で終了したことを報告した。

 私の人生で大きなことだったと思う。