脱炭素社会に向かう潮流と森林・木材の新たな価値

 『脱炭素社会に向かう潮流と森林・木材の新たな価値』という演題で、東京大学教授の高村ゆかり氏の講演を聞く機会があった。

 各企業の認識も大きく変わってきていて、気候変動に対する考慮を企業経営に統合している。 特にサプライチェーン管理、人材・労働者の権利など社会配慮、Scope3(サプライチェーン、バリューチェーン)の排出量にも重きを置いている。そのほか企業の情報開示の強化や金融機関の情報開示とリスク管理も挙げられる。このサステナビリティ情報開示の動きについては、森林・水等自然資本に関する情報開示の指針化の作業が進んでいるとのことである。そしてScope3の排出量をいかに削減していくかは重要である。

 自然資本という観点から、バイオ経済と森林吸収源の促進が不可欠であり、いかに森林を持続可能にして保全をしていくかが大きな課題である。

 中小企業だからと言って脱炭素に向けての活動をしていないと、経済界で相手にされて行かなくなる可能性がある。Scope3を意識してほしい。取引相手とされなくなる可能性も高くなってきているのだ。企業と地域の価値を高める時代に入ってきていることを強く認識しながら、独自にできることを進めていく必要があるだろう。