ビジネスリーダーとしての心構えNO2

 碓井会長のワークショップはまだ続く。

 次に「組織を動かす心構え10+αか条」という話に進んだ。

1 本質を究め、極める・・・常に「物事の本質」の見極めや生きた情報集めに専心しよう。定石や常識が正しいとは限らない。

2 謙虚に学ぶ、多様性の尊重・・・高い志と謙虚さがあれば、上司に限らず、部下や小さな会社からも学ぶことができる。誰とでも尊敬しあう対等な関係で接し、謙虚に学び、共に考える同士を作ろう。

3 目的意識・・・常に「何のために」を考えて活動しよう。ときに手段が目的化してしまうことがある。目的達成の最適な方法を常に考え、チームを正しい方向に進めよう。

4 メリハリを意識(トップダウンとボトムアップ)・・・常に優先順位を意識してマネジメントする。自ら注力すべきところ、任せられるところが明確になり、人も育つ。成果も上がる。

5 情熱、熱意・・・「黙って俺についてこい」はダメ。ビジョンを持って、時にやって見せ、部下を信頼しやらせてみて、情熱をもって叱る、褒める。

6 決断力・・・決断力は大事。しかも迅速な。「一緒に考えよう」と反対の人たちも巻き込む。的確で迅速な決断も日ごろの準備が大切。迅速なリーダーの決断が組織にスピードある勢いを生む。

7 影響力の発揮、構想力を磨く・・・総合力を最大化するためには、自らの傘下はもちろん他の職場、上司、社外の組織も巻き込む。情報は、報告を受けるだけでなく取りに行くもの。そして主体的に動き出す環境を作ろう。人に指示されたことより自発的に考えたことのほうが力を発揮する。

8 説得の技術・・・ただ声を大きくして感情でしゃべってもだめ。どうしたら自分の意志が相手にわかってもらえるかを、よく考えて話す。

9 覚悟(責任感)・・・常に会社を代表しているというラストマンとしての自覚。失敗を恐れず挑戦し続ける覚悟。部下に感謝し、いたわることを忘れずに。リーダーの覚悟が組織を動かす。

10 強みに集中(長期視点で考える)・・・強みの正確な理解が必要。強みこそ存在意義の根源。将来の在りたい姿を思い描きながら、そこに至るシナリオを持ち、現実的な対応をする。

 以上の話の前提として、社員は「自分が会社を代表している」という意識を持つことが大切。つまり経営者の立場であっても社員の立場であっても、こうした意識が大切ということ。

ビジネスリーダーとしての心構えNO1

 長野県経営者協会主催のワークショップがある。管理職、次期経営者、若手経営者が対象の20人限定のワークショップで、今までにも事務所のクライアントに何人か参加してもらった。今回もクライアントが1名参加している。

 今回初めて取り入れられたプログラムの中に、経営者協会の碓井会長が講師となって「ビジネスリーダーとしての心構え」というテーマでのワークショップがある。ここに特別に参加させてもらった。かなり中身の濃い充実した2日間であった。

 まずは碓井会長自身が今まで歩んできた人生においての話をされ、参加者が自分の立場で考えるきっかえを作った。

 碓井会長は、自分が組織を率いる上での信念、製品新規事業化に向けての過程、また、世界と戦うための事業変革、企業体質を実現した地震のプロセス等を熱く語ってくれた。

 1 自分の人生にもビジョンを

 2 常に前向き

 3 夢を力に、究めて極めて極める

 何のために活動していくか、何のためにやるのかという考え方を第一にする時代になっている。そんな中で「能力×情熱×考え方」が大事であるが、この3つの中で1番大切だと思うのはどれか、という問いかけがあった。能力と答えた人は1名、情熱と回答した人が約3分の2、後は考え方と別れた。それぞれにその理由を求められた。

 碓井会長の答えは「考え方」であった。考え方によってすべてが変わる。自分自身がどういう心持で行くか、「自分たちはこうあるべきだ」という考え方があって、どっちにもなる。世の中にとって正しいことをやろう。情熱も大切であり、能力をつけることも忘れてはならない。

 私は情熱かと思っていた。碓井会長の「何のために活動していくか、名のためにやるのかという考え方を第一に」という言葉から気づかされた。

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