怪しい税理士

 相続手続きを行う中で、必ず金融機関から残高証明を取得することにしている。今はその取引支店に行かなくても代理発行をしてもらえるから助かる。
 やっかいなのはゆうちょ銀行の残高証明をもらう時だ。
 まず相続時の貯金種類調査をする。すると相続時に存在していた貯金種類と調査依頼日の残高が記載された調査結果のお知らせが出てくる。その調査結果のお知らせを見て、改めてその調査結果のお知らせに記載された貯金の残高証明の発行を依頼するのだ。

 被相続人や相続人の預金調査も7~10年間分を遡って行う。通帳が残されていない場合には、金融機関に預金履歴を依頼する。
 これまたゆうちょ銀行は大変なのだ。
 定額貯金の履歴は出てこない。だから相続時の定額貯金を残高証明で確認はしたとしても、通帳がない限りいつ契約したのかが分からない。原資も満期になった定額貯金を預けなおしたのか別のところから用意したのか等連続した動きが確認できないのだ。
 どうするか?
 毎年一定の日で10年分の預金調査依頼をかける。するとその日の定額貯金の種類と調査依頼日の残高が記載された調査結果のお知らせが出てくるので、それを見て一定の日の残高証明書を取得する。1年間において定額貯金の動きが見えてくる。ただし具体的な月日は分からない。

 ま~苦労して被相続人や相続人の出納帳を作成して、名義預金や生前贈与を確認していくのだ。相続手続きの核心部といっていいかも。

 もう10年ぐらい前になる。
 相続人が農協へ被相続人名義の貯金の履歴の発行をお願いしに行ったら、農協で「そんなことを依頼する税理士は怪しい」と言われたと事務所に飛び込んできたことがあった。その時に私が農協へ説明をしに行ったが、全然取り合ってもらえなかったことを思い出す。
 そんな農協も、今はすんなりと手続きをしてくれるようになった。残高証明書には、経過利息まで記入してくれるし・・・。「怪しい税理士」は脱皮したか!

▼2018年11月の記事一覧