女性の能力開発セミナー

 長野県経営者協会主催で「女性の能力開発セミナー」が4回シリーズで開催され、最終回の4回目が終了した。

 第1回目は「キックオフセミナー」で自己紹介、県内の女性経営者との直接対話。女性経営者として参加させてもらった。私は経営者としての話をするというよりも、折り紙を使用してのミニワークショップを行った。「聴く」ことと「説明すること」の学びにつながる自己体験。

 第2回目は「リーダーとしての自己理解」。今の自分を知るために、自らの「働く」意味を考え、コミュニケーション力を知る。

 第3回目は「リーダーの役割を考える」。リーダーに必要なスキルを知ることや、チームを創る・動かすコミュニケーション術を学び、部下の能力による指導方法や育成方法を習得する。

 第4回目は「会社と自分の未来を創る」。自社のパーパスを理解しプレゼンテーション。また自社と自分の役割を考え、自分のキャリアを創ることの個別プレゼンテーション。

 この第4回目の個別プレゼンテーションに、講師からの要請があって参加した。事務所の職員はこのセミナーに2名参加している。回数を重ねるごとに、目に見えての成長があった。自分の中で多くの学びが身についてきたのだと思う。それだけに、この個別プレゼンテーションには目を見張るものがあり胸が一杯になった。二人ともキーワードは「笑顔」だった。それも周りの人が幸せになるための「笑顔」だった。

 私はすごく嬉しかった。キラキラ輝く女性に成長しているのがよく分かり、自分の人生に自信をもって歩んで行ける二人に成長したと思っている。

エネルギー・環境会議2023

 長野県経営者協会主催の「エネルギー・環境会議2023」が開催された。

 基調講演では国際環境研究所理事の竹内純子氏が「わが国のGXの展望と課題」というテーマでお話しいただいた。印象に残ったのは、「CO2を削減するだけでなく付加価値を創出し、社会の持続可能性を高めることが必要である。それには消費者の満足度が大事で、つまり付加価値を高めることがGXにつながる。」ということ。

 事例報告では、まず肥後銀行の取組が紹介された。肥後銀行が所有する「大観の森」では植樹活動を行い、大観の森での間伐材を利用して環境配慮型店舗を設置している。

 2番目にはセイコー・エプソンからの事例報告があった。以前に広岡工場を見学したときに見せてもらったことも含め、取り組んでいる報告内容であったが、「できる目標だと意味がない」という一言が印象だった。

 次に課題提起。ブルードットグリーン(株)から「サプライヤー企業が求められるカーボンニュートラル対応の背景と長野県ゼロカーボン戦略から求められる脱炭素経営について」という演題での話があった。この中では「サプライチェーン全体で中小企業の対応も重要となる」ということに納得した。

 また最後に組織連携による「ゼロカーボン」に向けた取り組み事例の紹介があった。

 全体を通しての個人的な感想。現状及び更なる課題の認識から、中小企業としてできることはなにか。みんな悩んでいる。資本力のある企業は、積極的に環境問題に取り組んでいる。時間軸から見ても、今やらないと引き返せなくなると思っている。次世代を担う若者も取り込み、地域組織連携をしながら悩ましい中小企業も一緒に取り組み、長野県から世界に発信していくだけの力が出てくるよう願う。そのために自分たちに何ができるかから検討し、できることから実行していく必要があると思っている。

エネルギー・環境会議2023がスタート。

(株)肥後銀行の取組事例発表。

セイコー・エプソン(株)の取り組み事例発表。

ブルードットグリーン(株)の問題提起

組織連携による「ゼロカーボン」に向けた取り組み事例発表

マルチメディア研修

 毎年8月からは研修が多くなる。年を越すと実務が忙しくなるから、8月から12月まで集中して研修を受けることになる。コロナ禍以来オンデマンドによる研修が中心になり大変助かっている。期間は決められているが、自由に時間が取れ、早朝や深夜でも可能だ。研修は、集合型以外は自宅で受けている。

 9月の3連休の初日、天気の都合で出かけられずに自宅研修をした。

 久しぶりに太田達也先生が講師である研修で、「増資・減資・自己株式等の資本取引の実務」というテーマである。太田先生の研修は大変分かりやすく、受講中にここのところはどうなんだろう・・・と考えていると、そのことをタイミングよく説明してくれるという、私には大満足の研修である。

 マルチメディアといっても、太田先生の熱の入ったパフォーマンス付きの講義は会場で受講しているのと変わらないぐらいに緊張感を持ち続けるのがまたいい。

 昨年度は89時間の受講時間だった。今年度はどのくらいになるだろう。毎年恒例の田村栄先生のセミナーも楽しみだわ。

みんなで歌舞伎鑑賞

 事務所には女子会と男子会(?)がある。毎年、懇親を兼ねて何かを計画しているが、今年は女子会から歌舞伎鑑賞の話が持ち上がった。

 歌舞伎鑑賞は私の趣味であり、密かに(?)月1度は歌舞伎座に出かけている。そうか!みんなも歌舞伎に興味を持ち始めたか!!ならば女子会に限らず、職員の希望者は参加するといい。もちろん費用負担を事務所でもするからということで、女子会の幹事であるTさんに動いてもらうことにした。そうしたら全員が手を挙げ、ただ残念なことにそのうち一人だけ日程が合わずに不参加。総勢11人で歌舞伎鑑賞に出かけた。

 何度か歌舞伎鑑賞をしている人もいれば、初めての人もいる。今回のことをきっかけに、歌舞伎に目覚めたらそれはそれで嬉しい。今回の歌舞伎鑑賞を取りまとめたTさんはいろんなことに気をまわして、これもいい経験になったと思う。

 歌舞伎座公演は、9月の昼の部を申し込んだ。昼食は席に着いたまま各自好きな歌舞伎弁当を。そして知る人ぞ知る「めでたい焼き」をTさんとEさんが幕間時間に走って買いに行ってくれた。これは絶対おすすめで、歌舞伎座に行ったらぜひ食してほしかった。

 「めでたい」と「たいやき」を掛け合わせているだけに、たい焼きの中に紅白の餅が入っているのだ。焼きたてを食べるのが一番。みんな喜んでくれた。

 昼の部の演目は「祇園祭礼信仰記・金閣寺」、「土蜘」、「二条城の清正」の3部作。

 2021年11月28日に亡くなった二世中村吉右衛門の「三回忌追善」と歌舞伎座の行事として定着している「秀山祭」を一緒に行っているのが、毎年の9月の公演だ。「秀山」は初代吉右衛門の俳名で、二世が中心となって発足させた「秀山祭」という。

 そのことを知って、尚更に今回の舞台が心に迫った。

 みんなの感想は、「金閣寺の雪姫の舞」に感動し、「土蜘」の幸四郎の演技に魅了されたとのことで、あっという間に終了時間を迎えてしまったとのこと。

 歌舞伎にはまった!また歌舞伎鑑賞に来たいとのこと。いい時間を過ごしてもらえてよかったです。

歌舞伎座の前は会場前で賑わっている。

9月の演目

「秀山祭」創始者でもある。

新緞帳「春秋」。作者の田渕俊夫氏によると『夜は幼少期の作家にとって荘厳であり、どこか怖いが惹きつけられる魅力を持った世界であった。満月はそのころの記憶を呼び起こすものであり、゛刻”をテーマに描く作品の象徴である。地上では季節が廻り、生命もまた廻る悠久の刻を。静かに月が見守っている作品となっている。』とあった。

長野市やまざとビジネス支援補助金現地視察

 長野市では「やまざとビジネス支援補助金事業」を行っている。令和4年度に採択された事業の進捗状況も含めた確認をするための現地視察を行った。

Spicana~ジビエ食堂ino-shika~

 自然と共に生きる事業として有害鳥獣の利活用をしている。ジビエを目的として来店されるお客さんが多く、「若穂でジビエが食べられる」という地域イメージが定着しつつある。また狩猟に興味がある方も多数来店されているそうだ。

お店の向かい側に会った道祖神。和むわ。

NPO法人保科の里~さとやま食堂~

 保科温泉にできた地域に必要とされる飲食店。「保科温泉に食堂を存続し、雇用と村おこしの拠点とする事業」を目的としている。

 店の中に張るとリンゴのシンボルツリーが素敵だ。

ジビエセイロ蒸しがメインのメニュー。

店内にはこうした空間もある。

(株)awai~徳武家~ 「戸隠古民家分散型ホテル事業」。歴史ある徳武家の土地建物を取得し、宿泊施設に改修中。

古い梁や土壁をうまく利用できるといい。

 保科地域と戸隠地域を回ってみて、これから益々面白くなっていく地域だと実感している。

 令和6年度事業の「やまざとビジネス支援補助金」の応募期間は10月16日~11月30日。すでに何件か問い合わせがある。中山間地の活性化に少しでもつながっていくといい。

労使懇談会

 長野県経営者協会と連合長野との労使懇談会が開催された。

 連合長野の根橋会長のご挨拶、長野県経営者協会の碓井会長のご挨拶でスタートした。

 碓井会長は「経営者が覚悟をもって労働者と一緒に待遇改善をしていく。そのためには労働者の知恵も発揮してもらいたい。」とおっしゃった。労使対決ではなく労使協調して改革をしていく必要性を説いている。「社会課題の解決するのは企業で、社会科課題と真摯に向き合い課題解決に取り組む。そして世の中の大きな変化に対応していかなくてはならない。」

 根橋会長も「少子化・人口減少問題に対応するためには思い切った改革が必要である・」とおっしゃっていた。

 本日の中心は、「労働行政の課題等について」という演題で、長野労働局長の久富康生氏の講演である。その中で「子育て世代の女性労働者」についての話が出た。子育て世代の希望就業形態で末子が6歳以下の者はパートを希望するのが52.3%、末子が7~18歳の場合は32.4%であり、その意思を配慮した雇用が必要であるとのことであった。現状ではそのような雇用体系をとらざるを得ないだろうが、思い切った改革をすることにより、フルタイム勤務ができるような社会に変えていかなくてはならないと思っている。

 様々な意見が出て大変勉強になり、経営者としてもどのように向き合っていくかを再認識する機会になった。

LEADER

 長野県経営者協会主催の「女性の能力開発セミナー」に、今回は事務所の職員が2名参加している。第3回目が終了し今朝の朝礼で、出席者から内容の報告があった。

 第3回目は「リーダーの役割を考えるー自分とチームをリードするために」というテーマでのワークショップ。このセミナーに参加する回数を重ねるごとに、参加している職員のキラキラ感が増してきている。とても嬉しいことだ。

「LEADER」はそれぞれの意味のある言葉の頭文字で組み立てられている。

「L」はListenで「聴く」。気持ちを聴く、考えを聴く、質問する、につながる。

「E」はExplain。「説明する」で方針、目的や目標、拝啓などを自分の言葉で相手が理解できるように伝えること。翻訳力である。

「A」はAdvise/Assistで「支援する」。仕事の勘所やポイントを伝える。助言やサポート、部下の能力を観察することだ。

「D」はDiscuss。「議論する」。つまり相手の意見に耳を傾ける姿勢を持つ、多角的な視点、当事者意識、共感をもって話し合う。

「E」はEvaluate。「評価する」で仕事のできたこと、できなかったことを正しく伝える。個別の育成目標を考える。

「R」はResponseで「応答する」。一言加えた挨拶、声がけをして承認欲求を満たす。背kky区的な声掛け、励ます、「報・連・相」を促進させる。

 こうした意味合い、行動は、誰もが意識しているとまた職場も変わってくると思う。セミナーも受講することによって学びえたことをどう生かしていくか、どう実践していくか、今回の参加者の変化が楽しみである。

二人のREIKOさん

 私には40年以上お付き合いのある二人のREIKOさんがいる。二人とも80歳近くになる女性だ。

 二人とも配偶者をなくし、介護付きマンションに入居している。定期的に声がけをしたり、訪問したりしておしゃべりをする時間を設けているが、この二人の人生と自分の税理士人生が重なっていることに感慨深い。

 税理士としてスタートすると同時に、この二人とのかかわりを持つようになった。お互いに、プライベートのことも含めて大きな変化があるごとに喜んだり涙を一緒に流したりしてきた。スタートは税理士としてであったが、その後は親しい個人として一緒に歩んできた部分が大きいと思っている。

 久しぶりに一人のREIKOさんにお会いしてきた。お互いに顔を見たとたんに涙ボロボロ。思わず手も握りしめ、REIKOさんの手の力強さに、元気に生活していると感じ安心した。REIKOさんの今後のことも含めていろんな話をしてきたが、「子供たちが今後仲良く生活していってもらうのが一番の望み」と何度も口にしていた。

 クライアントの関係から始まって、いつしか女性同士のお互いに大きな存在になっていた関係。後見人になっているわけではないが、義務ではなく、ずっと見守っていたい存在になっている。もしかしたら、これが女性税理士としての強みかもしれない。

 REOKOさんと次回の訪問を約束して立ち去るときに、涙流しながら「また来てね。」と何度も言っていた姿がちょっと切なかった。

環境問題・エネルギー問題の本質

 「環境問題・エネルギー問題の本質」という演題で東京大学公共政策大学院特任教授の有馬純氏からのご講演をいただいた。

 パリ協定の仕組みから始まって、グラスゴー気候合意、COP26~COP28までの内容や評価、また各国の思惑なども交えた内容であった。今までの流れを時系列に説明してもらい、私の中では、今後の課題がさらに明確になったと思う。

 ポイントは次の通り。

1 脱炭素化に向けた長期トレンドは確実。反面、新興国の状況を考慮すれば、日本の目標である2050年カーボン                           ニュートラルは絵に描いた餅。・・・何となく感じていたが、新興国の在り方を考えると納得してしまう。つまり温暖 化問題とエネルギー問題は、表裏一体ということ。

2 2050年ゼロカーボンのための温暖化対策は高コストであり、更に高い日本のエネルギーコストを引き上げる。 2030年までの43%減も根拠が乏しい。

3 再エネの主力電源化は重要であるが、国産再エネ技術の推進はコストとのバランスに留意。

4 国産原発活用のためには強い政治的リーダーシップが必要。

 最後に有馬氏がまとめてくださった内容の一部です。参考に・・・。

北陸三県・長野県経営者協会役員協議会

 福井、石川、富山、長野の経営者協会役員協議会が長野で開催された。20名が集合し、各県の情報交換を行った。毎年行っているが、今回は長野県が当番。まずは国宝松本城を見学し、その後セイコーエプソンの広岡工場の見学に入った。

国宝松本城。

セイコーエプソン広岡工場の建物に入ると素晴らしい空間が広がっている。

 デジタル捺染機「Monna Lisa」をまず見学。スタートから圧倒された。イタリアと日本の2か所でデジタル捺染の研究開発を行っているそうだ。インクの調合を必要としないデジタル捺染は、高精細でかつ階調豊かな印捺を実現している。

「Monna Lisa」

「Monna Lisa」 が設置されている部屋に一緒に展示されている布は、すべて 「Monna Lisa」 による捺染。

 次は話題の「乾式オフィス製紙機・PaperLab」。使用済みの紙を水を使わずに再生する。紙の購入や廃棄の為の輸送頻度が減るためCO2排出量を削減し、PaperLabで作った紙を社内で利用することで紙の購入量を減らし、環境負荷低減に貢献している。

 このことは以前から知っていたが、実物を見るのは初めて。他の経営者も非常に関心を持っていた。金額は2,000万円ぐらいで、もう少しコンパクトなものを開発中だとか。結構大型なので、設置するのに広いスペースが必要。

「PaperLab」

ガーメントプリンター。Tシャツに印刷するプリンター。

 少し前に碓井会長からプリントヘッドのことをお聞きしたが、今回の視察でさらに深まった気がする。そしてこうした技術が、いかに環境に優しく活かされているかも再認識できた。参加者の皆さんの関心は、 「乾式オフィス製紙機・PaperLab」 に対して一番高かったと思う。私も同様だ。

 この視察後に長野に戻って行ったグループごとの各県の情報交換も充実したものだった。